「ずっと追いかけてきた」―広島で活躍の兄から刺激、プロ注目の弟が秘める思い

イメージは逆方向「打ちにいった中で見逃せるように」

 普段、対戦している投手とは、球速や球威などでレベルの差がある。それでも、やることは変わらない。

「タイミングはしっかりネクストでも合わせているので、打てると思ったボールに対して振れる準備はしている。打ちにいく姿勢は忘れないように、打ちにいった中で見逃せるようにしています」

 国内で行われたオープン戦からトップバッターを任せている石井章夫監督は「調子を見て、1番か3番か。切り込み隊長として一番いいバッターを持ってくる考え方もあるので。今日は素晴らしかったですね」と、期待通りの働きぶりに拍手を送った。

 兄は広島のリードオフマン・田中広輔。尊敬する兄の姿は「いちファンという目線でも見れる」という。代表入りした時は「おめでとう、怪我なく頑張れよ」と祝福された。

「兄は第一線で頑張っていて、全てを参考にすることはないですが、参考になる部分もいっぱいある。大変な中でやっているので、僕も負けないでやらなきゃいけないなという気持ちになりますね。ずっと追いかけてきたので」

 小学校でソフトボールを始め、中学でも同じチーム。東海大相模から東海大、と同じルートを歩んできた。社会人1年目の昨年、ベストナイン二塁手部門を受賞したが、兄も社会人1年目(JR東日本)にベストナイン遊撃手部門に選ばれた。残るは、最高峰の舞台=プロ野球入りだ。

 今年のドラフトは今月26日に迫る。「しっかりやることをやらないといけないと思っています。怪我はしないようにしたい」。まずは日の丸で役目を務め、日本をアジア王者にけん引する。

(高橋昌江 / Masae Takahashi)

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