残り試合数で大逆転の可能性あり…西武・秋山に“当確”出ない首位打者争い
1976年に起きた大逆転劇、張本の両リーグ首位打者獲得かと思いきや
過去には、最終盤になって大差がついていた首位打者争いを大逆転したケースがある。1976年のセ・リーグがそれだ。
10月15日の時点で、巨人の張本勲は1試合を残して打率.357、中日の谷沢健一は.347だった。1分の差がついていたので、張本の史上2人目となるセ・パ両リーグでの首位打者獲得は確定的と思われた。しかし、追う谷沢の中日は5試合を残していた。
張本は10月16日の最終の広島戦で5打数1安打とし、最終打率.355でシーズンを終えた。だが、谷沢は10月16日の阪神戦に4打数3安打で打率を.352に上げ、17日には広島とのダブルヘッダーで3打数1安打、3打数1安打の成績で打率は.352のまま。そして、19日に同じく広島とのダブルヘッダー1試合目で4打数3安打とし、打率を.35484として、張本勲の.35477をわずか「7糸」の差で抜いて、首位打者になった。これが史上最も僅差の首位打者争いとなった。
NPBは、MLBと違って各球団の試合消化がまちまちになる。このため終盤になれば、残り試合数の差が大きくなり、こうした大逆転劇が起こる。
今季も3位以下の打者にはまだ可能性が残されている。特に、楽天はチームとしても残り7試合で、西武を抜いて2位になる可能性を残している。茂木、銀次には、わずかな可能性にかけて首位打者を目指してもらいたい。
(広尾晃 / Koh Hiroo)