パ・リーグのドラフト会議10年の変遷、あの選手は何年組?【東北楽天編】

楽天・松井祐樹【写真:荒川祐史】
楽天・松井祐樹【写真:荒川祐史】

2012年にはエース則本が2位で入団、翌年は守護神の松井裕が1位指名

【2012年】 
1位:森雄大(投手・東福岡高) 
2位:則本昂大(投手・三重中京大) 
3位:大塚尚仁(投手・九州学院高) 
4位:下妻貴寛(捕手・酒田南高) 
5位:島井寛仁(外野手・熊本ゴールデンラークス) 
6位:柿沢貴裕(投手・神村学園高) 
育成1巡目:宮川将(投手・大阪体育大) 

 則本投手はチームの絶対的エースで、球界を代表する豪腕。今季はリーグ2位となる15勝に加え、世界記録タイとなる8試合連続2桁奪三振を記録。圧巻の内容で、4年連続となる200奪三振以上をマークし、同時に最多奪三振のタイトルに輝いた。 

【2013年】 
1位:松井裕樹(投手・桐光学園高) 
2位:内田靖人(捕手・常総学院高) 
3位:濱矢廣大(投手・ホンダ鈴鹿) 
4位:古川侑利(投手・有田工高) 
5位:西宮悠介(投手・横浜商大) 
6位:横山貴明(投手・早大) 
7位:相原和友(投手・七十七銀行) 
8位:相沢晋(投手・日本製紙石巻) 
9位:今野龍太(投手・岩出山高) 

 松井裕投手はチームが誇る絶対的守護神。今季はシーズン最終盤まで防御率0点台を維持した。故障で戦線を離脱したが、3年連続の50試合登板と30セーブを達成。

【2014年】
1位:安樂智大(投手・済美高)
2位:小野郁(投手・西日本短大付高)
3位:福田将儀(外野手・中央大)
4位:ルシアノ・フェルナンド(外野手・白鴎大)
5位:入野貴大(投手・徳島インディゴソックス)
6位:加藤正志(投手・JR東日本東北)
7位:伊東亮大(内野手・日本製紙石巻)
育成1巡目:八百板卓丸(外野手・聖光学院高)
育成2巡目:大坂谷啓生(内野手・青森中央学院大)

 安樂投手は、今季9試合に先発して1勝となかなか白星は付いてこなかったが、8月17日の埼玉西武戦ではエース・菊池投手と白熱の投手戦を繰り広げる。ポテンシャルはあるだけに、いずれは先発ローテーションの柱になってほしい。

【2015年】
1位:オコエ瑠偉(外野手・関東第一高)
2位:吉持亮汰(内野手・大阪商大)
3位:茂木栄五郎(内野手・早大)
4位:堀内謙伍(捕手・静岡高)
5位:石橋良太(投手・Honda) 
6位:足立祐一(捕手・パナソニック)
7位:村林一輝(内野手・大塚高)
育成1巡目:出口匠(内野手・津田学園高)
育成2巡目:山田大樹(内野手・菰野高)

 オコエ選手は高卒2年目にして、今季から早くもスタメン出場の機会を増やす。茂木選手は大卒2年目ながら不動の正遊撃手・リードオフマン。生え抜き野手としては史上最多の17本塁打を放ち、攻守においてチームに欠かせない存在となっている。

【2016年】
1位:藤平尚真(投手・横浜高)
2位:池田隆英(投手・創価大)
3位:田中和基(外野手・立大)
4位:菅原秀(投手・大体大)
5位:森原康平(投手・新日鉄住金広畑)
6位:鶴田圭祐(投手・帝京大準硬式)
7位:野元浩輝(投手・佐世保工高)
8位:石原彪(捕手・京都翔英高)
9位:高梨雄平(投手・JX-ENEOS)
10位:西口直人(投手・甲賀健康医療専門学校)
育成1巡目:千葉耕太(投手・花巻東高)
育成2巡目:南要輔(内野手・明星大)
育成3巡目:向谷拓巳(内野手・兵庫ブルーサンダース)
育成4巡目:木村敏靖(投手・履正社医療スポーツ専門学校)

 藤平投手は、今季の高卒新人としては最速の1軍先発登板を果たすと、8試合の先発で3勝4敗、防御率2.28という好成績を残す。チームの大型連敗も二度止めた。森原投手は開幕から10試合連続無失点を記録し、シーズン序盤の「勝利の方程式」の一角としてフル回転。左のサイドスローである高梨投手は、46試合に登板して14ホールド、防御率1.03という快投で、幾度となくチームのピンチを救った。

 以上、楽天の過去10年のドラフトを振り返った。他の球団と比べると、球団創設からまだ間もないだけに、最近10年にドラフトされた選手がチームのカラーを作っている真っ只中。年を経るごとに、指名選手の数が目に見えて増えているのは特徴だ。2016年のドラフト組は特に投手が奮闘しているが、生え抜き野手でタイトルホルダーとなった選手は聖澤選手のみ。10本塁打以上をマークしたのも茂木選手と島内選手のみと、野手の戦力アップが明確な課題だろう。2017年のドラフトからはどのような育成意図が窺えるか、楽しみにしたい。

【動画】楽天のエース、2012年ドラ2則本が魅せる”意地と気迫”のピッチング

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