1年前は試行錯誤 サイドスロー転向が転機、ソフトB左腕は日本Sでも輝く

ソフトバンク・嘉弥真新也【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・嘉弥真新也【写真:藤浦一都】

CSファイナルで最強ブルペンの1人として貴重な働きの嘉弥真、初戦登板が「大きかった」

 ソフトバンクが勝ち抜いたクライマックスシリーズ(CS)・ファイナルステージ。アドバンテージを入れて2勝2敗で迎えた第4戦、わずか3球で楽天の勢いを止めたのが嘉弥真新也だ。鷹の左キラーは、日本シリーズでも仕事人として輝きを求める。

 嘉弥真はCSファイナルで初戦、第3戦、第4戦の3試合に登板。いずれも1/3回、トータルで1イニングと出番は決して多くはなかったが、左のワンポイントとしての役割をしっかりと果たした。

 中でも圧巻だったのが第4戦だ。先発のバンデンハークがウィーラーに逆転打を許し、なおも2死二、三塁。ここで追加点を許せば、試合の流れはより楽天に傾き王手に近づくという場面で嘉弥真が登板した。嘉弥真は、第3戦でタイムリーを放っている島内宏明を2球で追い込むと、最後は外に大きく逃げるスライダーで空振り三振に斬って楽天の勢いを断ち切った。

 その後の6回裏に内川聖一と中村晃の連続本塁打で逆転し、ソフトバンクがCS突破に王手をかけたが、5回の嘉弥真の投球がこの試合の分岐点となったことは間違いない。嘉弥真は「シーズン中でも同じような場面はあったので。3球三振?いや、狙っていたわけではないです」と冷静に振り替えったが「もちろん一番印象に残る登板でした」とも語る。

 この第4戦の好投につながったのが初戦の登板だ。嘉弥真は3点差から2点差へと追い上げた直後の7回に登板。先頭の島内を一ゴロに打ち取って石川柊太にバトンを渡した。10月6日のホーム最終戦以来の実戦登板に「ボクの場合はCSの雰囲気に慣れるというよりも、自分の調子を確認できたことが大きかった」という。第3戦でも同点の6回表、2死二塁というピンチでマウンドに上がり、フルカウントから銀次を空振り三振に斬り、チームの勝利につながる投球を見せた。

 MVPに輝いた内川聖一や2試合連続決勝弾の中村晃、サプライズ起用で活躍した城所龍磨や柳田悠岐などが強い印象を残す中で、楽天に1点も与えなかった最強ブルペン陣の1人として嘉弥真の活躍も決して忘れてはならない。

1年前はまだ試行錯誤、サイドスローへの挑戦が転機に

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