西武の“人材難”を解消した新人王・源田、記録と記憶に残る1年を振り返る
西武が抱えた「遊撃手の不在問題」にピリオド
2番打者としての仕事も堅実にこなした。リーグ4位の26犠打を記録し、俊足を生かして積み上げた盗塁数は球団新人記録を塗り替える37盗塁。惜しくも盗塁王獲得とはいかなかったものの、リーグ1位の西川選手(北海道日本ハム)との差はわずかに2つ。持ち味の機動力が、すでにリーグトップクラスであることは、異論を差し挟む余地がない。
源田選手の存在によって、過去3年間は不振にあえいでいたチーム自体も好調に転じた。遊撃手の不在問題が解決された埼玉西武は、球団記録に迫る13連勝を記録するなど好調を維持し、最終的には4年ぶりのAクラスとなる2位と躍進を果たした。シーズンが終わった頃には、遊撃手の人材難に悩んでいた記憶は、完全に過去のものとなっていたことだろう。
パ・リーグの新人王を受賞した野手は、源田選手と同じ西武の2番打者として活躍した1998年の小関竜也氏が最後だ。それ以来、実に19年ぶりの受賞となる。遊撃手としては、その前年に選出された小坂誠氏(千葉ロッテ)以来20年ぶりで、まさに歴史的な快挙と言える。球史に残る活躍を続けた源田選手にとって、記録にも記憶にも残るシーズンを、最高の形で締めくくれたと言えるのではないだろうか。
1年目から首脳陣とファンの厚い信頼をつかみ取り、埼玉西武躍進の立役者の1人となった源田選手。「2年目のジンクス」が立ちはだかる来季は、真価を問われる勝負の1年となる。新人王受賞以降もレギュラーとして長くチームを支えた「先達」に続くことができるか。19年ぶりとなる野手新人王の新たな挑戦が、またここから始まる。