MLB通算434発の元楽天AJが語る、大谷成功の条件「彼ならアジャストできる」
日本とは全く違うメジャーの日程「そこのアジャストが1番大事」
――あなたが仮に大谷選手の監督だったとしたら、どのように起用しますか。
「それは難しいところだね。スケジュールというところでいうと、日本は、月曜日がほぼ必ず休みで、火曜から日曜にかけて試合があるという規則的なスケジュールで試合を消化していく。アメリカはすごく不規則で12連戦とかだって普通にある。それにどうやってアジャストしていくかというのは、本当に大きな課題だと思う。僕個人としてはバッティングももちろんいいんだけど、あれだけの球を投げられる投手というのは数が少ないので、投手に専念してほしい。自分が監督だったら、投手だけで使いたいね」
ブレーブスをはじめ、ドジャース、レンジャーズ、ホワイトソックス、ヤンキースと渡り、計17年間メジャーの一線級でプレーしたジョーンズ氏。3年目の1998年からは3年連続20本塁打20盗塁を記録し、1997年から11年連続2桁本塁打、2005年には51本塁打&128打点でナショナル・リーグ2冠にも輝いた。過日、米野球殿堂入りの候補選手にもノミネートされている。
――あなたが、メジャーで輝かしい実績を残せた要因はどこにあったとお考えですか。
「難しいことではないんだ。私は毎シーズンに入るにあたって、個人の目標として25本塁打100打点を掲げていた。これを目標としてやるというより、最低でもそこまではやりたいというもの。コンスタントに成績を残したいと思って、オフの間にスイング、準備をしてシーズンに入っていく気持ちでやってきた。その積み重ねが、現役を終えた時に434本塁打という形で残ったのだと思う。各月に分けて考えれば、毎月4本塁打放てば、それなりの成績を残せる。そういう風にブレイクダウンしていって、コンスタントに成績を残せるように取り組んでいたんだ」
――メジャー17年間、日本での2年間の経験をへて、大谷選手に助言するならば、どんなことを伝えますか。
「球団の起用法が明らかになっていないので、具体的なアドバイスを今の時点でおくることは難しい。ただ、1つ言えるとすれば、それはスケジュールのことだ。これを念頭に置いて調整をしていってほしい。日本ならば、毎週月曜が休みで、交流戦が終わった時には2、3日の休みがある。彼の場合はシーズンを通して毎週1回投げていたわけではなく、状態を見て休みももらっていた。それがアメリカに来て、どうなるか。球団から求められることの中でどうやって調整しながら、こなしていくか。そこのアジャストが1番大事だと伝えたい」
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)