もしもNPBが2期制だったら…【パ編】前期優勝は楽天、山川が後期“3冠王”

個人タイトルの行方はどうなる?

 個人成績も見てみよう。

○打撃タイトル
【前期】
首位打者 秋山翔吾(西)打率.325
本塁打王 柳田悠岐(ソ)20
打点王 柳田悠岐(ソ)66
最多安打 秋山翔吾(西)87安打
盗塁王 西川遥輝(日)21

【後期】
首位打者 山川穂高(西)打率.321
本塁打王 山川穂高(西)21
打点王 山川穂高(西)56
最多安打 秋山翔吾(西)98安打
盗塁王 西川遥輝(日)、源田壮亮(西)18

 秋山は前期首位打者、後期は2位とコンスタントに好調を維持した。だが、後期に入ると、前期レギュラーでさえなかった西武の山川が“3冠王”の大活躍。盗塁でも後期は西武の新人源田が日本ハム西川と並ぶ18盗塁を決めた。後期に入って西武打線が爆発したことがわかる。なお、後期打率3位には7月に1軍昇格したオリックス吉田正尚(.311)が入っている。

○投手タイトル
【前期】
最多勝 則本昂大(楽)8勝
防御率 美馬学(楽)1.79
奪三振 則本昂大(楽)119
セーブ 松井裕樹(楽)23
ホールド シュリッター(西)、谷元圭介(日)21

【後期】
最多勝 菊池雄星(西)9勝
防御率 菊池雄星(西)1.69
奪三振 菊池雄星(西)、岸孝之(楽)116
セーブ サファテ(ソ)32
ホールド 岩嵜翔(ソ)23

 前期の最多勝、奪三振は楽天の則本だった。この期間にNPB新記録となる8試合連続2桁奪三振の快挙を成し遂げた。防御率は美馬、セーブも松井と楽天投手陣が絶好調だった。

 後期になると西武の菊池が最多勝、防御率、奪三振の“3冠王”。フォームの問題を克服して大活躍を見せた。楽天の岸は菊池と並ぶ116奪三振を記録したが、この期間は打線の援護がなく2勝8敗に終わった。そして、セーブはソフトバンク守護神サファテが圧倒的。楽天の松井は故障もあって10セーブにとどまった。

 日本ハムの谷元は前期最多ホールドだったが、シーズン途中に中日へトレード移籍。西武のシュリッターは前期1位タイの21ホールド、防御率1.31と大活躍したが、後期は11ホールドながら防御率4.60と成績が急落。トータルでは32ホールドを挙げながら西武がリリースしたのは、後期の成績急落が原因だろう。

 2シーズン制であれば、プレーオフは前期優勝の楽天と後期優勝のソフトバンクが対戦していた。今季リーグ2位に躍進した西武は、ポストシーズンには進出できなかったことになる。西武にとっては1シーズン制が奏功した形だ。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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