王さんとも見解一致 日ハムコーチ就任の緒方耕一氏が語る清宮育成法
8年ぶりに本格的に現場復帰、緒方耕一氏への特別インタビュー前編
2016年の日本一から昨季リーグ5位に転落した日本ハムは今オフ、多くの新任コーチを迎え入れた。その中でも目玉の1人となるのが、新設された「野手総合コーチ」に就任した緒方耕一氏だろう。1998年限りで現役を引退してから、古巣の巨人や野球日本代表「侍ジャパン」でコーチを歴任後、野球解説者を務めていたが、8年ぶりに本格的に現場復帰することとなった。
投打両方で軸となっていた大谷翔平はポスティングシステム(入札制度)でエンゼルスへの移籍が決まったものの、ドラフト1位で清宮幸太郎内野手が加入。また、去就が注目されていた主砲の中田翔内野手も残留し、新シーズンは主将に就任するなど、話題は尽きない日本ハム。緒方氏は、立て直しを目指すチームでどのような役割を担うのか。清宮の育成法については、早稲田実業高の大先輩でもある王貞治氏からも“助言”をもらったという。そんな新任コーチの胸中に迫った。
――野手総合コーチは日本ハムの新ポストです。役割はどのようなものになるのでしょうか。
「報道などを見ていると、“ヘッド格”という風に捉えられているんですけど、基本的には僕はオフェンス側の担当なんですよ。だから、バッティングとか走塁とか。ただ、ファイターズの方からは、巨人でもWBC(侍ジャパン)でも守備走塁コーチをやっていたから、守り、ディフェンスに関してもアドバイス的なことをやってくれないかと言われています。
ただ、日本ハムにもそういうコーチがいて、それだと越権行為みたいになるといけないから、基本的にはオフェンス型だけど、ディフェンスもアドバイスしていいよ、ということになりました。だから『野手総合』という名前になったんです。決してコーチの中でヘッドというのは自分も意識はなく、そうは捉えてない。ただ、色んな部分で気づいた部分はチームのために言ってほしい、ということで、こういう肩書、ポジションのコーチになりました」
――守備走塁コーチ、打撃コーチなどと同じレベルだということですね。
「そうですね。守備コーチとかに、気づいたことはアドバイス的に言ってもいいポジションです。担当コーチがそれぞれいて、教えていることもあるだろうし、『そこは今これをやってから教えようと思ってました』というところもあると思うので、あまり直接、選手を呼んで『ああじゃないか、こうじゃないか』じゃなくて、コーチと話をしようかなと思っています。(大切なのは)コーチとのコミュニケーションですね。コーチも、ここを飛ばしてあそこを教えてもしょうがないという考えがあるでしょうから、そこで僕が見てていて、飛び越えたようなこと言っても申し訳ない。僕がそういう立場なら逆に嫌ですから」
――コーチ就任のオファーが来た時は、楽しみな気持ちが大きかったですか?
「ありがたいことに、ラジオ、新聞、テレビと仕事は充実していて、外から勉強できる環境は整っていました。まだまだ勉強、という考えで悩む部分もあったんですけど、現場を離れて7年が過ぎていて、そろそろもう1度現場に入って今の野球を体験していかないと、自分自身も解説としていいことを伝えられないんじゃないかと考えるような年数も過ごしました。そう考えると、いいタイミングで声をかけていただいたのかなと思います。コーチなので、自分が勉強させてもらう、というばかりではチームのためにならないんですけど、そういう気持ちでいこうかなとは思っています」