【投手の球数を考える】“二刀流”大谷は起用法次第も…MLBに「3000球」の壁
MLBでは1回の目安は15球前後がベスト
しかしMLBでは、NPBよりはるかに過酷なシーズンが待っている。
MLBを代表する投手の2017年の数字を見るとそれがわかる。
クレイトン・カーショー(ドジャース)
27試18勝4敗 防御率2.31 175回2521球
(1試合93.37球 1回14.08球)
コリー・クルーバー(インディアンス)
29試18勝4敗 防御率2.25 203.2回2945球
(1試合101.55球 1回14.46球)
マックス・シャーザー(ナショナルズ)
31試16勝6敗 防御率2.51 200.2回3111球
(1試合100.35球 1回15.50球)
ジャスティン・バーランダー(2球団)
33試15勝8敗 防御率3.36 206回3531球
(1試合107球 1回17.14球)
クリス・セール(レッドソックス)
32試17勝8敗 防御率2.90 214.1回3428球
(1試合107.13球 1回15.99球)
田中将大(ヤンキース)
30試13勝12敗 防御率4.74 178.1回2810球
(1試合93.67球 1回15.75球)
2017年、MLBで3000球以上を投げた投手は33人いる。1球団に1人以上いる計算になる。その中で、成績が上位に来る投手の多くは、1回当たり15球前後の効率的な投球をしていることがわかる。
中にはバーランダーのように17球を超える球数を投げる投手もいるが、それは例外的な存在だ。一般的には、効率的な投球をしないと、長いシーズンを乗り切れないことがわかる。
大谷はMLBでも「二刀流」でいく可能性がある。エンゼルスがどんな起用をするかは不透明だが、ローテーション投手として投げるとすれば、「3000球」はどうしても目安の1つとなる。NPBで一度も投げたことがない球数だ。
この球数を投げて、シーズンでフルに活躍するためには、投球効率を上げる必要がある。1回当たり15球を目標に、無駄球を減らす努力が必要だろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)