「大田が天狗になることはない」―日ハムの緒方新コーチが更なる飛躍に期待
「盗塁を1人1個増やすだけで、チーム盗塁数は30増える」
――大田は新天地でがむしゃらなプレーを見せてくれましたが、チーム全体の走塁の意識についてはいかがでしょうか? 2017年のチーム盗塁数86はパ・リーグ2位(1位は西武の129)、セ・パ両リーグでは3位(2位は広島の112)の数字でした。順位で見れば悪いわけではありませんが、緒方コーチに期待する人も多いのではないかと思います。少しずつでも変えていきたいという考えはありますか?
「走れないよりも走れるに越したことはないので、少しでも力になれればとは思います。全体で考えて、1軍の野手登録が16人だとして、2軍からの入れ替わりもあれば、1年間シーズンを通すと30人前後が1軍に登録されます。盗塁を1人1個増やすだけで、チーム盗塁数は30増えるわけですから。まずはそれくらいの感じでやれればと思います。
でも、ファイターズはいい球団なので、自分が『ああしたい、こうしたい』ばかりではなくて、今までのものを大事にしながら、その中でもう少しこういうことができれば、という気持ちです。求められるところでやりたいな、というのがありますね。監督とか、球団が『こうしたいんだけど、どう思う?』という時に一緒にもがきながらでもやっていければなと。『自分が入ったからこうなったんだ』と言いたいから頑張るというのは、どうなのかなと思いますからね」
――パ・リーグは2017年、ソフトバンクが圧倒的な強さを見せて優勝しました。ただ、日本ハムには2016年にそのソフトバンクを大逆転してリーグ制覇し、日本一に輝いたという実績があります。若いチームなので、勢いも出やすい。ソフトバンクを倒すために必要なのは、どういうことになるでしょうか?
「秋季キャンプというのは、どこでも若手中心の厳しいメニューだから若いと思うんでしょうけど、(11月に)沖縄の国頭に行かせていただいて、本当に若いなぁと思いましたね。泰示とかが上の方ですからね。若いチームとは思っていたけど、実際に中に入ったら本当に若いなと思って。
ソフトバンクは、ゲーム差を見ても、順位を見ても強い。でも、当然、上位を狙って戦います。簡単ではないですが、ソフトバンクだって今年勝ったから来年も簡単なんて思ってない。勝ったチームでもそうは思ってないので、下位のチームが大変だというのは、みんながわかってることです。
ただ、スタートは0勝0敗なので、当然、優勝を狙っていきます。その差は短期決戦じゃないから大きいのは間違いないと思いますけど、育成という面で考えても、勝ちにこだわらないと、強い選手は育たない」
若いチームで選手の成長を手助けしながら、なおかつ、自身も成長する。そして、勝つ――。“緒方効果”は気づいたときにはチームに浸透し、選手を変えているのかもしれない。
(Full-Count編集部)