実戦デビューで見つけた基準点 大谷翔平が歩き始めた“アジャスト”の道

エンゼルス・大谷翔平【写真:西山和明】
エンゼルス・大谷翔平【写真:西山和明】

「何も変えずに」打者と対戦して見えた課題

 メジャー移籍前から話題の中心に居続けるエンゼルス大谷翔平投手が、ついに実戦デビューを飾った。24日(日本時間25日)に米アリゾナ州テンピで行われたブルワーズ戦で初登板初先発。記者席に入りきれないほどの日米両メディアが取材に訪れ、オープン戦にもかかわらず6000人を超えるファンが集まったが、予定されていた2回は持たず、1回1/3で1被弾を含む2安打2奪三振1四球2失点(自責1)という結果に終わった。

 時速160キロの剛速球で打者をなぎ倒すピッチングを期待していた人たちには、少し物足りない内容だったかもしれない。だが、バッテリーを組んだマルドナドが繰り返したように「まだ初戦」。大谷自身は初実戦を前に「もちろん抑えにいく」と言っていたが、他チームの打者を相手に本気で抑えにいけたことが、この日の大きな収穫だったと言えよう。

 日本では随一の実力を持つ投手として認められていたが、メジャーではオープン戦も含め登板経験がない。いくら前評判がよくても、実際に自分のピッチングはどの程度通じ、何をどうアジャスト(調整・修正)すればいいのか、具体的な策は見えづらかっただろう。キャンプインした15日(同16日)の会見では「まずは何も変えずに、自分のやってきたことをベースにしっかり取り組んで、変えなければいけないところは、その都度変えればいいんじゃないかと思います」と話していたが、「何も変えずに」初実戦で打者と真剣勝負をしたことが“基準点”となり、今後アジャストすべき点が見つかった。

 大谷はこの日に得た収穫と課題について、こう話している。

「全体的にカウントを取りにいく球が甘かったですし、なんとなく探りにいってる感じがあったので、そこは次回以降しっかり修正したいと思っているところです。追い込んでからのフォークボールはブルペンであまりいい感覚はなかったんですけど、実際に試合で投げた方が比較的いいポジションに落ちてくれていたので、すごくそこは良かったんじゃないかと思います」

日米で違うイニング間の過ごし方「すごく勉強になった」

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