“松坂効果”を一過性で終わらせないために――中日が取り組むべき「これから」

松坂加入で増えたファンを一過性で終わらせないために…

 一方で、中日にとって大事になるのは、ここから先だ。松坂獲得によりファンの視線が中日ドラゴンズに向いているのは間違いない。24日ロッテ戦にも3万1557人が来場したが、これもオープン戦ではまずまずの数字。2018年シーズン、ファンがチームに期待を寄せていると証と言えるだろう。

 現時点で現れている“松坂効果”は、あくまで「松坂大輔」の人気であって、必ずしも「中日」の人気とはイコールではない。松坂の加入によって視線を向けてくれた“ライト層”のファンを、いかに中日ドラゴンズのファンとしてつなぎ止められるかが、低迷気味の「中日人気」を回復させるカギとなるだろう。

「大事なのはここからだと思います。松坂投手が来たことで、確かに松坂投手が投げる試合には多くの方がドームに来てくれるようになりました。これをどうやって他の試合につなげげられるか、だと思いますね」。とある球団関係者もこう語る。

 松坂見たさでナゴヤドームへ足を運んだ観客に対して何も働きかけなければ、その観客増は一過性のものに終わり、元の状態に戻ってしまうだろう。これをいかにシーズンにつなげ、固定ファン獲得につなげていくか。松坂を見に来たファンに、いかに松坂が投げない試合にも足を運んでもらうのか、が重要になってくるだろう。

 もちろん、チームが強くなることは必要だ。チームが魅力ある野球を展開することが、最大のファンサービスで、ファンの満足度を最も高められる。「ドラゴンズの野球は面白い」と“ライト層”のファンに思わせることは大事だ。

 それと同時に求められるのは、ファンを楽しませるための演出であったり、魅力あるイベント、ドーム内でのホスピタリティーだろう。球団全体としてファンの顧客満足度を高めることが大事で、あらゆる施策を行っていく必要がありそうだ。

潜在ファンは少なくない中日、ドームから離れた足をいかに呼び戻すか

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