楽天と私設応援団が強力タッグ 挑む新たな応援の形「選手に力を与える応援」
可能性感じた球場インフラを生かした新応援
「ホームラン! ホームラン! 〇〇!」といったコールは、これまでと同様に声と太鼓を使って行うため、応援の骨組みは変わらない。異なるのは応援歌を使った応援だ。
応援リード(応援のリード役)がサインを出すと、プロデュースチームのメンバーが機器を操作し音源を再生。レフトスタンド両サイドのスピーカーから応援歌の主旋律が流れると、同時にスコアボードビジョンに歌詞が表示される(無線を使った指示で一塁側にあるコントロールルームから操作)。そこに太鼓が打ち鳴らされ、声援が乗っていく。
実際に体験して感じたのは、応援歌のメロディと歌詞がはっきりとわかるので、初めて球場にやってきた人でもスムーズに応援に参加できそうだということだ。
また、応援の合間の応援リードからの言葉がマイクを通しスピーカーから明瞭に届くため、伝えようとしていることがしっかり聞き取れる。これも応援しやすい環境づくりに一役買いそうだ。
ビジョンの歌詞が遅れなく表示されることも、レフトスタンド以外の席でも応援歌を口ずさみやすくするように思えた。応援席に呼応して声援を送るファンもこれまで以上に増えるのではないか。
新しいスタイルが定着するまでには少し時間がかかるかもしれない。だが、応援と球場インフラの連携が深まっていけば、応援リードのコールのもと、球場全体がこれまで以上の一体感で選手に声援を送る光景を目にすることができるのでは――。そんな思いに駆られた。