先発投手の最低限の責任 今季の「QS」数から見る12球団の台所事情

セは阪神がトップの9QS、中日ジーは2完投も白星なし

【セ・リーグ】

広島 16試合 8QS 2HQS (7勝1敗)
阪神 14試合 9QS 4HQS (6勝2敗1勝敗なし)
DeNA 15試合 5QS 2HQS (3勝2敗)
巨人 16試合 6QS 3HQS (3勝1敗2勝敗なし)
中日 15試合 8QS 3HQS (4勝2敗2勝敗なし)
ヤクルト 16試合 6QS 2HQS (3勝2敗1勝敗なし)

 阪神は最多の9QS。小野泰己、高橋遥人と若い投手が1つずつQS、秋山拓巳は3QSだが1勝2敗、打線の支援がない。首位の広島は8QSで7勝1敗。QS以上の先発投手にすべて勝敗がついている。先発陣が試合を作っている。

 中日は8QSだが4勝2敗2勝敗なし。又吉克樹の不振もあり中継ぎ陣がうまくマウンドを引き継げていない。ジーはリーグ最多の2完投だが2試合とも8回自責点2で敗戦投手になっている。

 巨人とヤクルトが6QS。巨人はエースの菅野が3試合登板して1QSだったのが大きな誤算だ。ヤクルトはブキャナンが3QS(2勝1勝敗なし)とエースの働きを見せている。

 最もQSが少ないのは、広島を0.5差で追うDeNA。15試合でわずか5QS。現在防御率1位の新鋭・京山将也はQSは0。3登板ともに5回で降板している。ラミレス采配は、先発投手を早めにおろし、救援投手をつないで勝ちに持ち込む戦術だ。

 個人では広島のジョンソン(2勝1敗)、阪神の秋山(1勝2敗)、巨人の山口俊(2勝1勝敗なし)、ヤクルトのブキャナン(2勝1勝敗なし)が3QSとなっている。

 ペナントレースの深まりとともに、先発投手にも大きな負担がかかってくる。QS数にも大きな差が出てくるだろう。各球団の先発投手のパフォーマンスに注目していきたい。

(広尾晃 / Koh Hiroo)

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