“鉄人”衣笠祥雄氏が誇る偉大な記録 アンタッチャブルな2000試合超え
MLBではリプケンJr.とゲーリッグが2000試合超え
MLBの連続出場記録5傑は以下の通りだ。
1位 リプケン 2632試合(1982年5月30日~98年9月19日)オリオールズ
2位 ゲーリッグ 2130試合(1925年6月1日~39年4月30日)ヤンキース
3位 スコット 1307試合(1916年6月20日~25年5月5日)レッドソックス、ヤンキース
4位 ガービー 1207試合(1975年9月3日~83年7月29日)ドジャース、パドレス
5位 テハダ 1152試合(2000年6月2日?07年6月21日)アスレチックス、オリオールズ
このほか、松井秀喜が巨人時代の1993年8月22日から、ヤンキースに移籍した2006年5月11日まで1768試合連続出場を記録している。
連続試合出場記録は大記録の領域に近づくと、ある種の弊害が起きる。それは「成績が下がってもスタメン落ちさせることができない」ということだ。衣笠祥雄は1986年、打撃不振のため打率が.205まで下落。翌年には打率を.249まで上げて引退したが、「記録のための出場だ」という批判があった。
カル・リプケンJr.も、プレーに陰りが見えてきた1998年の最終戦に、自ら申し出て連続試合出場を途切れさせた。
歴代3位の金本知憲も成績不振となったが、途中交代や代打などで試合出場を続けた結果、2010年は全試合出場、規定打席未達という珍記録を作ってしまう。
現役では、阪神の鳥谷敬が史上2位の1914試合連続出場を続けているが、今季は成績不振のためしばしばスタメン落ちしている。衣笠の記録まではあと301試合、2年以上は掛かる見込みだ。成績がV字回復しない限り、鳥谷も連続出場が危ぶまれる可能性はある。
いろいろな意味で、衣笠祥雄の連続試合出場記録はアンタッチャブルになりつつある、と言えるのではないか。
(広尾晃 / Koh Hiroo)