大谷の3勝目、米専門家はどう見た? ハイレベルな変化球の回転数と被打率
伝説のクローザーを彷彿とさせる大谷の投球「思い出させるのはガニエ」
この日、投球を組み立てる上でプラスに作用したカーブも、その大きな落差が話題となった。時計の数字の位置を示す「12-6」という言葉は、メジャーでは縦に大きく変化するカーブを表現する言葉としてよく使われるが、グビザ氏も大谷のボールを高く評価。4回2死走者なしでシーガーを迎えた場面、大谷はカウント1-1から77マイル(約124キロ)のカーブで空振りを奪ったが、グビザ氏は「77マイルのカーブが続きます。時計の針で言うところの、12時から6時のカーブです」と話し、大谷の1つ1つのボールの質の高さを絶賛した。
「86マイル(約138キロ)のスプリット。98マイル(約158キロ)の直球。77マイル(約124キロ)のカーブ。90マイル(約145キロ)台、80マイル(約129キロ)台、70マイル(約113キロ)台というように、スピードに変化をうまくつけながらプレーしていた投手で他に思い出せるのは抑えのエリック・ガニエですね。彼の場合は1イニングだけでしたが」
2003年にドジャースで77試合登板、2勝3敗でリーグ最多55セーブ、防御率1.20という圧巻の成績を残し、クローザーとしては異例のサイ・ヤング賞に輝いたガニエの名前を出し、大谷の投球を高く評価した。
大谷はこの試合、7回に突如制球を乱し、ヒーリーに2ランを浴びて2失点で降板した。しかし、チームを勝ち越しに導く貴重な白星をマーク。メジャーでは、直球とスプリットのイメージが先行していたが、スライダーも一級品であることを見せつけ、緩急をつけるカーブも警戒する必要があることを印象づけた。
カード直前にマリナーズの会長付特別補佐に就任し、直接対決は叶わなかったイチロー外野手は3連戦終了後、テレビ観戦だったことを前提にしつつ、「ちゃんとしたいいピッチャーだというのは分かるし、ちゃんとしたいいバッターというのはこの3日間、それぞれ1日ずつだったけど(分かった)ね。なかなか、欠点が見つけづらいかなぁ」と話した。メジャーの各球団は「欠点」を見つけようと必死に分析しているはずだが、今のところ大谷が二刀流として確かな結果を残している。
(Full-Count編集部)