史上最年少100S目前も防御率6点台…楽天・松井裕樹が苦しんでいる理由
ここまでの松井は運に恵まれていない?
続いて、本塁打を除くグラウンド内に飛んだ打球が安打になった割合を示す「BABIP」という指標も見ていきたい。BABIPはその性質上投手がコントロールできる余地が少なく、一般的に運の絡む要素が大きいとされている。
松井がプロ入り後の5年間で記録したBABIPは以下の通り。
2014年 .294
2015年 .230
2016年 .283
2017年 .248
2018年 .434
上記の数値を見てもらえばわかる通り、今季は例年に比べて数値が1割以上も跳ね上がっている。もちろんこの指標は運のみならず投手の投球内容や野手の守備力などにも左右されるため、チームの不振も相まって一概に定義はしづらいところがある。それでも、今季の松井が運に恵まれていないと判断できる材料とはなるはずだ。
上記の指標2つを見る限りでは、今季の松井は四球で走者を出すことが多いにも関わらず、三振によって独力でアウトを取る機会が少なく、フェアゾーンに飛んだ打球が安打になる確率も高くなってしまっていることによって成績が悪化していると推測できる。すなわち、持ち前の奪三振力が回復し、制球力が例年レベルまで向上してくれば不振脱出につながる可能性が高いのではないだろうか。
4月後半の2試合ではランナーをためながらも無失点リリーフを見せ、少しずつではあるが復調の兆しを見せ始めている松井。このまま若き絶対的守護神が本来の姿を取り戻せば、昨季の安定感が失われている楽天のブルペンにも一筋の光が差してくるはずだ。