ホークス柳田と楽天岸が一歩リード セイバー目線で選出する5月のパ月間MVP

難航予想される投手部門は岸の内容が高評価

 ○5月月間MVP パ・リーグ投手部門

 まずは候補選手7名の月間成績を振り返ってみましょう。

岸孝之
防御率1.35 40回 3勝0敗 奪三振率8.33 被打率0.177
千賀滉大
防御率0.86 21回 3勝0敗 奪三振率11.14 被打率0.197
ボルシンガー
防御率2.16 25回 4勝0敗 奪三振率7.20 被打率0.225
武田翔太
防御率3.41 29回 2勝2敗 奪三振率6.52 被打率0.196
アルバース
防御率2.81 32回 4勝0敗奪三振率6.47 被打率0.260
石川柊太
防御率3.18 30回 4勝1敗 奪三振率4.80 被打率0.250
増井浩俊
防御率0.00 12回 0勝0敗8S 奪三振率9.75 被打率0.081

 今月のパ・リーグ投手部門の選出は難航しそうです。勝ち星では、ボルシンガー、アルバース、石川が4勝していますが、それらの投手よりも3勝の岸、千賀が防御率で上回っています。しかし、千賀は5月の規定投球回数(26)より少ない回数しか投げてないため、防御率0.86は評価の対象外となることでしょう。また月間8セーブで防御率0.00の増井も12試合で8セーブでは、先述の先発投手を超える評価を得るのは厳しいでしょう。
 この中で、岸が3勝のうち2つの完投勝利、うち一つは完封での勝利です。また5月31日のDeNA戦では、9回3失点で勝ち負けつかずですので、実質3完投ということになります。沢村賞式クオリティスタート(7回以上投げて自責点3以内)も5試合中4試合と、こういった点が評価され、最も月間MVPに近いのではないかと予想します。

 それでは、セイバーメトリクスによる評価での上位の選手はどうなるでしょうか。以下に紹介します。

岸孝之
FIP2.22 被本塁打2 WHIP0.70 QS率100% K/BB12.30 RSAA7.86
武田翔太
FIP2.29 被本塁打0 WHIP0.90 QS率50% K/BB3.50 RSAA5.46
上沢直之
FIP2.63 被本塁打1 WHIP0.94 QS率80% K/BB3.38 RSAA5.26
千賀滉大
FIP2.07 被本塁打0 WHIP1.05 QS率100% K/BB 3.25 RSAA4.47
アルバース
FIP2.78 被本塁打2 WHIP1.06 QS率80% K/BB11.50 RSAA4.31

 FIPはすべて2点台と優秀です。武田と千賀は被本塁打0、WHIPは3人が1以下、岸と千賀がQS率100%、奪三振と与四球の比率を示すK/BBは岸とアルバースが10超えと一長一短の評価で、誰かが突出しているというわけではなさそうです。また千賀は他の投手の半分のイニング数しか投げていませので、そこは加味しなければならないでしょう。

リーグ平均に比べ7点以上の失点を防いだ岸の投球

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