元燕のDバックス監督が目指す日米野球の融合「小さなことを疎かにしない」

「小さなプレーが最終的には大きな差を生む」

「メジャーの練習にすっかり慣れた34歳の自分にとって、日本の練習はとても新鮮だった。日本では練習に多くの時間を割くし、技術の細部を繰り返し練習する。時間配分もキッチリ決まっていたし、みんなの野球に懸ける情熱にも大きな感銘を受けた。

 メジャーでプレーできる才能を持っていても、集中力を欠いたり、小さな動きでもやるべきことを疎かにしては意味がない。野球は本当に面白いもので、小さなプレーが最終的には大きな差を生むことがある。メジャーでは、昔からミスを犯してもホームランで取り返せばいいという発想があるけれど、緻密なプレーを心掛ければ、さらにいい結果が生まれるはず。メジャー流と日本流、それぞれのいい部分を取り入れた野球を目指しているんだ」

 例えば、時折バントに特化した練習をする日を設け、しっかりバントを成功させる練習をするだけではなく、バントを処理する際のグラブさばきにも気を配る。また送球の練習をする日は、いろいろな角度や方向からベースカバーに入った野手に向かって投げ、あらゆるパターンに対応できる引き出しを増やしておく。若い選手が多いからこそ、その意識付けが大事だという。

 日本での経験を積極的に生かしている指揮官だが、ヤクルト在籍時から引退後は指導者を目指そうと決めていたという。出場機会にこそ恵まれなかったが、練習に明け暮れ、ベンチから日本の野球を観察した日々は大きな財産になっている。

「目指す野球が少しずつ形になっている」と話すロブロ監督。細部にこだわる野球を積み重ねながら、30球団の頂点を目指す。

(佐藤直子 / Naoko Sato)

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