大谷の靭帯損傷、米メディアが指摘する“原因“は「剛速球」と「登板回避」!?

投手の「速度は腕への負荷になると示されている」

 つまり、メジャートップレベルの剛速球を投げる大谷が、どれほど肘に負担をかけているかということだが、これについては「そうかもしれない。速度は腕への負荷になると示されている」と指摘。専門家によると、肘への負担は、どれだけ速いボールを投げるかが重要ではなく、自身の最速に近いボールを多く投げることで大きくなるという。大谷の場合は、今季の最速100.5マイル(約161.7キロ)に対して、平均球速は97.4マイル(約156.8キロ)。3.1マイルという差は、リーグ平均の3.5マイルより少し小さいということだ。

 なお、記事では、大谷の最大速度と平均速度をグラフで紹介しており、5月30日(同31日)のタイガース戦では大きな差があったと言及。すでに痛みを感じていた可能性があると推測した上で、最初の数試合の負荷が問題だったかもしれないと分析している。さらに、このタイガース戦は、当初予定されていたヤンキース戦の登板を回避し、中9日でマウンドに上がったが、これも体に良くなかった可能性もあるという。定期的に出場することで、体は激しい負荷への準備ができるというのがその理由で、間隔が空いてしまったタイガース戦では肘に負担がかかったことが考えられるというのだ。

 もちろん、エンゼルスも大谷本人も、負傷には細心の注意を払っていたはず。そして、登板への準備も毎回、しっかりと整えていたはずだ。ただ、記事では「長い間、オオタニのような選手はいなかった。間違いなくビッグデータの時代にはいなかった」と、“唯一無二“の存在だからこそリスク回避に難しさがあったのではないかと指摘。その一方で、「これらのデータによると、オオタニの序盤の2つの点、最大速度にかなり近い速度で投げていたことと、登板間隔が安定していなかったことが、肘の損傷を悪化させたのかもしれない」と結論づけている。

 靭帯損傷が悪化してしまった以上は、まずはしっかりと治療して戻ってくることを考えるのが第一。ただ、復帰してからは、その原因を分析した上で“再発”防止につなげることも必要になりそうだ。

(Full-Count編集部)

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