混戦の2018年ペナントレース、前半戦を「得失点の波」で解析【セ編】

スワローズの得失点推移グラフ【図表:鳥越規央】
スワローズの得失点推移グラフ【図表:鳥越規央】

ヤクルトは先発に課題、投打かみ合わない中日

◯東京ヤクルトスワローズ

 交流戦前まではほとんどブルーゾーンと絶不調ぶりが顕著で、6連敗2回、5連敗1回と前年に引き続き、他の5チームと引き離され大きく沈むかに見えたスワローズ。しかし交流戦に入り、投手陣が防御率3.38、QS率55.6%と覚醒。序盤で7連勝すると、セ・リーグでは唯一気を吐き、パ・リーグ相手に12勝6敗で、交流戦勝率1位を獲得しました。

 その後リーグ戦再開後は、5連勝、8連敗、7連勝と大きな連勝連敗を繰り返すまさに大波を引き起こす戦いぶりです。

 打線は、史上初3度目のトリプルスリーを目指す山田哲人を筆頭に、青木宣親、坂口智隆、バレンティン、雄平、西浦直亨と優秀な打者が多く、上位に好調な打者を配置することで得点力の増強を図れる攻撃力を持ち合わせています。

 連勝中は先発がしっかりQSを稼いでいるところからも、やはり安定した勝利のためには先発投手陣がしっかり役目を果たせるかどうかにかかっていることでしょう。

ドラゴンズの得失点推移グラフ【図表:鳥越規央】
ドラゴンズの得失点推移グラフ【図表:鳥越規央】

◯中日ドラゴンズ

 ブルーゾーンの比率が多く、連勝も4月上旬の4連勝が最高で、大きな波に乗り切れない現状を表すグラフとなっています。防御率4.38、WHIP1.39、FIP4.46はリーグ最下位で、開幕前から不安視されていた投手力の整備がいまだにできていません。

 ただ、ガルシアを中心に、小笠原、山井、吉見ら先発投手陣はQS率60%を超えており、しっかり先発投手としての役割を果たしています。また、平田、ビシエド、アルモンテと打線の主軸もOPS0.8以上と結果は残しています。

 このようにタレントは揃っているのですが、例年投打がかみ合わず、グラフも細い線のような帯状。僅差で星を落としている様子が伺えます。

 8月以降の浮上のカギは、

1番 出塁率.306 OPS 0.648
2番 出塁率.294 OPS 0.656

と得点力不足の要因となっている1、2番の出塁率の極端な低さの改善。そして救援投手陣の再構築でしょうか。

大量失点多いDeNA、打線の得点力に改善ない阪神

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