試合を動かした玉城の三塁打 元高校球児と元バスケ選手の父母がサポート

侍ジャパンU-12代表・玉城功大【写真:Getty Images】
侍ジャパンU-12代表・玉城功大【写真:Getty Images】

左翼2ランの森山も元高校球児の父と練習、目標は「ホームラン6本」

 台湾・台北で開催されている「第10回 BFA U12アジア選手権」は15日、大会3日目を迎えた。予選ラウンドグループAの日本はスリランカに12-2で5回コールド勝ちした。しかし、結果は快勝も、2回まで1-2とリードを許す展開だった。

 2回までに2四球で2点を失った日本。攻撃も2回までに内野安打を含む2安打とスリランカの投手を捉えられず、1-2と追いかける状況になった。3回も1死から栗山大成が中安を放ち、盗塁で進塁したものの、4番・森山竜之輔が左飛に打ち取られて、あっという間に2死となった。

 2死二塁とし、5番・宇野真仁朗の三塁内野安打で二走・栗山が同点のホームイン。ここで打席には向かった6番・玉城功大は「ピッチャーがフォアボールを多く出していて、打線もあまり打てていなかった。『このままいったら危ない。自分が決めてやろう』と思って打席に入りました」。強い決意を持った打席。フルカウントから放った打球は右中間を破り、勝ち越しの三塁打となった。ここから打線が動き出し、連打で得点を重ねた。

「お父さんは高校の時に4番を打っていたらしくて、バッティングもたくさん教えてもらいました」と玉城。怪我により、高校の途中で野球を断念したという父・工さんだが、『沖縄を変えた男』のタイトルで映画化もされた沖縄水産高の名将・栽弘義監督の下でプレーした。主に投手として選出された玉城は「お父さんはキャッチャー出身で、『落ち着いて投げろ』とか、ピッチャーのこともいろいろと教えてくれました」と感謝する。

 小学1年の時に友達の誘いで野球を始めると、どんどんのめり込み、母・美奈子さんは「毎日、キャッチボールに壁当て。夜まで死ぬほどやっていました」と笑う。キャッチボール相手はバスケットボールでインターハイや国体に出場経験がある美奈子さんだ。コントロールが定まらず、身体中に青あざを作りながらボールを受け続けてれくれた。5年生の時、〈お母さんとキャッチボールをしたおかげで今があります〉と作文にし、「涙が出ました」と美奈子さん。家族とともにつかんだ代表で、チームの突破口を開く一打を放った。

「ずっと夢だった」侍ジャパン入り、堂々の体格から豪快な一発

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