プロ野球選手が教える俺達のココを見ろ! 【~ホークス(ファーム)編~】

ソフトバンク・高橋礼【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・高橋礼【写真:福谷佑介】

選手層の厚いチームで虎視眈々と1軍昇格を狙う若手たち

 8月の戦いを終えたプロ野球はリーグ優勝から順位争い、個人タイトルレースまでも佳境を迎えた。注目が集まるのは1軍で活躍する選手のプレーだが、ファームで牙を研ぐ選手に目を向けると、その個性も実に魅力に溢れている。質量共に圧倒的な戦力層を誇る福岡ソフトバンクはリーグで唯一、3軍制を敷き、設備への投資も惜しまず、ファームシステムの充実も申し分ない。

 小川一夫2軍監督は「将来的に戦力となる選手の育成」と同時に「1軍が優勝するためにサポート」を果たすのが、2軍のあるべき姿と説く。「それぞれ個性があって、みんなをひとつにするというのはなかなか難しい。最後はチームのために何をするかと考えられる選手じゃないと優勝なんて狙えない」と語るが、1軍が日本一に輝いた昨季はファームを巣立った若手が重要なピースとなり、今季も故障者の穴を最小限に食い止めるべく新戦力が奮闘している。後半戦、怒濤の追撃を見せる王者をさらにプッシュする選手が現れるか。可能性を秘めた選手達に、自身のアピールポイントと注目しているチームメイトを質問した。(成績は9月17日時点のもの)

背番号「28」 高橋礼投手
〇年齢:22歳(1年目)
〇投打:右投右打 
〇2018ファーム成績:27試合(先発3/救援24) 5勝0敗2セーブ 44.2投球回 与四球率2.82 奪三振率9.67 防御率1.21
〇アピールポイント「独特の投球フォームで140キロ近いボールが投げられるのはアピールポイントだと思います。90キロ台のカーブと真っすぐとの緩急が武器だと思うので、それで三振も多くとれればいいなと思っています。ファームでできることを上でもできるように」
〇チームメイト「古谷(優人投手)ですね。小さい体ですけど150キロが出せて、どのピッチャーよりも勢いのあるボールを投げられるのはすごいなと思います」

背番号「47」 高橋純平投手
〇年齢:21歳(3年目)
〇投打:右投右打
〇2018年ファーム成績:22試合(先発12/救援10) 1勝6敗0セーブ 62.2投球回 与四球率5.74 奪三振率6.46 防御率6.89
〇アピールポイント「プロに入った時からストレート。そのスピードや威力だと思います。夏に入る前に先発していて球速がグッと落ちて、150キロを超えるストレートが140キロ台前半、中盤しか投げられなくなりました。
 今は四球の数を気にせずスピードを出すことに取り組んでいて、150キロを超える球が1試合に2、3球あるかないか。ない日もありますが、球速はバロメーターですね。スピードが落ちたときに制球力を気にしすぎましたが、フォアボールを出すことでセットポジションの数が増えて、そこもうまくなった自信があります。セットでもあまり球速が落ちなくなったので、怪我の功名ですね」
〇チームメイト「『おっ、すごいな』と最近思ったのは美間(優槻)さん。体がめちゃくちゃ強い。内野はどこでもできますけど、サードをやっている時に打球をボディで止めたんですよ。プロの打球ですよ(笑)高校では見ましたけど、プロの強烈なサードゴロを止めるというのは…。しかもピッチャー経験があるようで145キロぐらい投げていたそうなので、送球もめちゃくちゃ力強くて。僕は投げていてすごく安心しますね」

背番号「49」 古谷優人投手
〇年齢:19歳(2年目)
〇投打:左投左打 
〇2018年ファーム成績:25試合(先発8/救援17) 4勝2敗0セーブ 55投球回 与四球率6.22 奪三振率5.07 防御率3.93
〇アピールポイント「腕の振りと、左ピッチャーで球が速いところです。(そのタイプは)あまりいないと思います。プロで活躍している投手は140キロ台の球速で長く活躍しているイメージが強いので、自分は速い球が投げられて、長くやっていきたいなと思っています」
〇チームメイト「同級生の同期で長谷川宙輝という左ピッチャーが今年の春季キャンプからA組にいて、自分はライバル視しています。自分と同じタイプで球も速い左の本格派なので、将来は2人でホークスを背負っていけるようなピッチャーになりたいと思っています」

背番号「45」 谷川原健太捕手
〇年齢:21歳(3年目)
〇投打:右投左打 
〇2018年ファーム成績:82試合(捕手72) 打率.265 1本塁打 11打点 3盗塁 長打率.360 出塁率.333
〇アピールポイント「キャッチャーとしてはセカンドスロー。今、精度はそんなに高くないんですけど、これから上げていきたいところです。そこは見てほしいです。打撃も自信があるので見ていただきたいし、キャッチャーですけど走れるところも。そこを武器にやっていきたいです」
〇チームメイト「オスカー(・コラス選手)じゃないですか。まだ19歳なのに、あれだけのパワーがあるので。(滑らかなスイングが)外人という感じではないですけど、パワーはめちゃめちゃあるので頼りになりますね。ここというところで打ってくれます」

背番号「00」 川瀬晃内野手
〇年齢:21歳(3年目)
〇投打:右投左打 
〇2018年ファーム成績:83試合(一塁手7/二塁手20/三塁手16/遊撃手49/外野手8) 打率.302(リーグ1位) 0本塁打 28打点 6盗塁 長打率.351(リーグ6位) 出塁率.372(リーグ2位)
〇アピールポイント「守備ですね。当たり前のゴロをアウトにするところです。(複数ポジションをこなしながらも、こだわりは)ショートですね。ショートでやっていこうと考えているので、そこへのこだわりが強いです。
(打撃について)手応えは今年、あります。一軍も経験させてもらったので、考え方が変わりました。一軍で先輩に聞けたのは球種の待ち方やタイミングの取り方。(首位打者についての意識は)そういう位置にいますが、日々やっていくだけなので、することをやって最後には首位打者がとれたらいいなと思います」
〇チームメイト「江川(智晃)さん。左にも右にもうまく打てるので。右左は違いますけど、広角に打ち分けるので、こういうバッターになりたいなと思います。塚田(正義)さんもそうですね。どっちにも打てるので」

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