「我が道を行く」―広島菊池に単独インタビュー、名手が明かす“守備の流儀”

魅せようと思ってやっているプレーはひとつもない
「2年目の開幕スタメンの時は、空回り状態。セカンドということもあって、カバーリングとかわからないところもありました。ボールと衝突するというか……。ランナーが一塁にいたら、二塁で一個アウトを取らなきゃいけないという先入観があった。周囲からは『何で慌てているの?』と言われていました。
そういう部分を積み重ねて、やっと3年目ぐらいに『もっと余裕を持ってやろう』と思えるようになりました。そこからは、周囲にあまり言われなくなりました。自由にいっていいよ、と。そういうスタイルを、琢朗さんとかコーチの人たちが許してくれました」
2013年に開幕スタメンを果たすと、そのままレギュラーの座を確固たるものにした。NPBの二塁手史上最多の528捕殺という金字塔を打ち立て、3年目の14年は公式戦全144試合に出場を果たした。そして、このシーズンに、忍者守備と呼ばれる菊池の唯一無二のスタイルは確立したという。
「ファンの人がどう思っているかわからないですけども、僕のプレーで盛り上がってくれるんだったら、体が壊れるくらい最後までボールを追いたいという思いはあります。そういう意味で元気な時に駆け回りたいと、ずっと思ってやっています。楽しいんですよね。実際は、魅せようと思ってやっているプレーはひとつもない。我が道を行くと言うか。自分のベストのプレーはこうだと、瞬時に行動に移すタイプなので。
僕は(石井)琢朗さんとかと仁志(敏久=元巨人、横浜)さんとか藤田(一也内野手=楽天)さんとか、そういう人たちとはちょっと違うのかもしれないですね。そういう言い方、そういう切り口でやっています」
NPB最強の守備の名手と聞かれれば、多くの人間がその名を挙げる存在になった。オリジナルの誇りを胸に、菊池は白球を追い続けている。
(Full-Count編集部)
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