広島からFA宣言の丸、他選手と次元の違う「選球眼」 突出する指標
丸のIsoD.162は12球団ダントツ、2位に.044の大差
◯1985年以降の出塁率10傑
1落合博満(ロ).487/1986年
2落合博満(ロ).4806/1985年
3バース(神).4805/1986年
4落合博満(中).4728/1991年
5小笠原道大(日).4725/2003年
6柳田悠岐(ソ).4694/2015年
7ペタジーニ(ヤ).4687/1999年
8丸佳浩(広).468/2018年
9カブレラ(西).467/2002年
10ペタジーニ(ヤ).466/2001年
丸の今年の出塁率は史上8位の高率だったが、出塁率には、打率の要素が多分に含まれている。本当の選球眼=四死球を選ぶ能力を見るためには出塁率から打率を引かなければならない。セイバーメトリクスでは、この指標をIsoD(Isolated Discipline)と呼んでいる。今季の両リーグのIsoDの10傑は以下のようになる。
◯パ・リーグ
1山川穂高(西).115(出.396 率.281)
2西川遥輝(日).113(出.391 率.278)
3近藤健介(日).104(出.427 率.323)
4デスパイネ(ソ).095(出.333 率.238)
5森友哉(西).091(出.366 率.275)
6中村奨吾(ロ).090(出.374 率.284)
7吉田正尚(オ).082(出.403 率.321)
8井上晴哉(ロ).082(出.374 率.292)
9島内宏明(楽).081(出.373 率.292)
10秋山翔吾(西).080(出.403 率.323)
◯セ・リーグ
1丸佳浩(広).162(出.468 率.306)
2鈴木誠也(広).118(出.438 率.320)
3山田哲人(ヤ).117(出.432 率.315)
4糸井嘉男(神).112(出.420 率.308)
5福留孝介(神).109(出.389 率.280)
6糸原健斗(神).104(出.390 率.286)
7バレンティン(ヤ).102(出.370 率.268)
8田中広輔(広).100(出.362 率.262)
9筒香嘉智(De).098(出.393 率.295)
10坂口智隆(ヤ).089(出.406 率.317)
パ・リーグは本塁打王の西武・山川が1位になる。各球団の投手が警戒していたということだろう。しかし、2位の日本ハム西川は10本塁打、3位の日ハム近藤は9本塁打。この2人は純粋な選球眼で四球を選んだことがわかる。出塁率1位の柳田のIsodは.079で13位。柳田も選球眼は優秀だが、高い打率によって出塁率のタイトルを取っている。
一方で、広島の丸は他の選手とは次元が違う.162を叩き出している。両リーグでも2位に位置するチームメートの鈴木に.044もの大差をつけており、今季の丸の凄さがよく分かるだろう。
(広尾晃 / Koh Hiroo)