王柏融を超える好打者!? 台湾が誇る20歳捕手の夢「日本球界に挑戦してみたい」

Lamigoの廖健富選手【写真:篠崎有理枝】
Lamigoの廖健富選手【写真:篠崎有理枝】

ラミゴに所属する廖健富捕手は今季、打率.387をマークした

 今シーズンCPBL(台湾プロ野球リーグ)で2年連続台湾一に輝いたラミゴモンキーズ。日本ハムがポスティングにより交渉権を獲得した“大王”こと王柏融(ワン・ポーロン)外野手が所属していることでも知られているが、王以外にも注目されている若手選手がいる。今シーズンが実質1年目となる廖健富(リャオ・ジェンフー)捕手だ。

 廖は2017年のドラフト全体1位で入団。3、4月には月間MVPを獲得し、前半戦は打率.421をマーク。2016、17シーズンに4割超えを記録した王を抜き、後半戦も打率ランキングトップを走っていたが、9月23日の試合で一塁にスライディングした際に肩を脱臼。その後、出場機会を減らし、惜しくも規定打席に届かなかった。

 88試合で292打数113安打10本塁打69打点、打率.387。20歳での首位打者獲得はならなかったが、来シーズンの活躍に期待がかかる新星に、今シーズン好調を維持できた理由や、将来の目標などをラミゴモンキーズの本拠地、桃園国際棒球場で聞いた。

 実質1年目で好成績を残したことについて「想定していなかった。びっくりしているけど、自分の結果には満足しています」と、納得の表情を浮かべた。好調を維持できた要因については、打撃の感覚が良かったに加え、コーチから適切な助言をもらえたからだと話す。

「プロの世界に入って、球の質やコントロールなど投手のレベルの違いを実感し、どうやって対応していくかが1年目の課題でした。それでも好成績を残せたのは、バッティングの感覚がよかったからだと思います。それと同時に、コーチの皆さんからアドバイスを随時もらえたこともあります。打撃不振に陥ったとき、『今回失敗してもまた次があるから』と前向きな言葉をもらえたことが、一番の励みになりました」

 2016年にはU-18台湾代表にも選出され、2017年のドラフトでCPBLでは史上初となる高校生の1位指名選手で入団。プレッシャーを感じた時もあったというが、この時もコーチからの助言に救われたと振り返る。

「自分自身も意識していましたし、周りからも『1位指名なりの価値を見出せるようなパフォーマンスをしろ』と言われたこともあります。でも、チームに入ってからはコーチにアドバイスをいただけるので、重圧を感じなくなり、自分のすべきことを見つけられるようになりました」

 コーチには、技術面ではなく精神的な面で助けてもらえたことが大きいと話すが、自身もバッターボックスに入る前には平常心を心がけている。「いつもと変わらないように打席に入るようにしています。いつも通りの動きをして、きた球をはじき返す。自分の求めている結果が出るよう、いつもと同じ気持ちで挑んでいます」。

今季はDHでの出場がほとんども、捕手へのこだわり強く

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