大谷翔平、真の“凄み”はどこか? 岩村氏が分析、ゾーンへの適応が鍵

エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】
エンゼルス・大谷翔平【写真:Getty Images】

外寄りの変化球への意識がオープン戦不振の原因

 12日(日本時間13日)に発表されたMLBルーキー・オブ・ザ・イヤーで、ア・リーグの最優秀新人に選ばれたエンゼルスの“二刀流”大谷翔平投手。DAZNではオフの新番組「Home of Baseball」の配信を2日から開始している。

 第1回は大谷の特集で、投手編(2日から)、野手編(9日から)に分けてルーキーイヤーを様々な角度から分析している。エンゼルスのOBで地元テレビ局の中継解説者を務めるMLB132勝のマーク・グビザ氏、日米通算2148安打、484本塁打のアンドリュー・ジョーンズ氏、エンゼルスOBで現在はオリックスのシニアアドバイザーを務める長谷川滋利氏、元レイズ(デビルレイズ)の岩村明憲氏らが登場。レイズ在籍時の2008年にはア・リーグ優勝に輝き、ワールドシリーズにも出場した岩村氏は、自らの経験をもとに、日米の野球の感覚の違いと適応の難しさ、大谷のストロングポイントを日本人打者としての視点で語った。

 オープン戦で結果を残せず酷評を受けながら、シーズン開幕直後から特大の本塁打を量産してみせた大谷。この1年、大谷の凄さに関しては「修正能力、適応能力の高さ」ということが再三語られてきたが、具体的に、日本と米国ではどのように感覚が違い、どこを修正すればいいのか。岩村氏は、非常にわかりやすく解説した。

「ひとつは、アウトコースでのツーシームであったりチェンジアップという球。日本のピッチャーよりもどうしてもアクションが大きい軌道を描くので、そこらへんの意識がアウトコースにあるという部分。それと、日本ではアウトコースだけでは打たれるからということで、インサイドも意識しなきゃいけないというところです」

 MLBのストライクゾーンは、日本よりも外角に広いと言われる。大谷のような長距離打者を迎えた場合、比較的制球のいい日本の投手ならインコースの厳しい球を見せておいてアウトコースへと投げ分け、球を散らす配球がなされるが、プルヒッター(引っ張り専門)が多く、極端なシフトなども使われるMLBでは、右投手対左投手で考えた場合、ツーシームやチェンジアップのように、長打を打たれる確率が低い外側で急激に変化する球、動く球を徹底的に使う傾向が強い。オープン戦で、大谷はその違いに戸惑ったのではないかと岩村氏は見る。

「普段のホームベースって、ボール6個分なんですけども、多分、オープン戦の頃は、8個分から9個分ぐらいになってたんじゃないかな。だからこそ深追いすることによって、凡打を重ねてしまった」。自分がボールだと思って見送った外角の球をストライクと判定されると、どうしても外の球を追いかけながら手を出すようなバッティングになる。「自分もそういう経験があったんですけども、やっぱり日本のストライクゾーンと若干違う、外に広いという部分は、特に意識してしまった部分だと思いますね」と、岩村氏はオープン戦の時の大谷の不振を、このように分析した。

不振が思い切ったフォーム改造に踏み切るきっかけに

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