高い攻撃力で投手陣の脆弱性をカバー…データで今季を振り返る【西武編】

防御率はリーグ最下位、先発は安定も救援陣が不安定

 ただ、これらのデータから、5失点以上の試合が60試合もあり、それだけ多く先制されているということも分かります。チーム防御率は4.24でリーグ最下位。チーム防御率リーグ最下位でのリーグ優勝は、2001年の大阪近鉄以来2度目になります。

 開幕当初は9連続クオリティスタート(QS=先発投手が6イニング以上を投げ、3自責点以内に抑える)を達成するなど、ペナント序盤は充実した先発投手陣の片鱗も見えました。実際、菊池雄星16、多和田真三郎14、榎田大樹13とQSを稼ぎ、先発ローテーションを通年で担えたことも優勝の大きな要因となっています。

 ただ、前半戦から救援投手陣が安定せず、打線が大きなリードを奪っても、そのリードを食い尽くすような戦いぶりも目立っていました。5月中旬から交流戦前までは、その失点を上回る得点を稼いで凌いできた様子がグラフから伺えます。救援陣が炎上し、防御率が5点台にまでなった時期もあったほどです。

 しかし、後半からはヒース、マーティン、小川龍也など新加入投手の活躍によって救援陣に改善の兆しが見えてきました。7月下旬から8月前半にかけてのレッドゾーンで確固たる首位固めを行い、9月以降ソフトバンクの猛追にも、直接対決での5連勝を含む12連勝で振り切り、9月30日、無事に優勝を遂げたのです。

 クライマックスシリーズは、ソフトバンクに大量失点を喫するなどペナントレースで垣間見せた防御力の脆弱性を突かれた形での敗戦となりました。来季以降はこれをどう改善するかがポイントとなりそうです。

捕手・森の高い得点能力が攻撃力アップに貢献

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