前半と後半でまるで別のチームに…データで今季を振り返る【日本ハム編】

後半戦に入って先発投手に異変、QS率が急落

 7月前半も順調に星を重ね、ついには首位の西武まで0.5ゲーム差にまで詰め寄りました。しかし、その辺りから優勝を意識しだしたのか、先発投手陣に異変が起きます。

 後半戦の初戦、6月の一時期救援に回っていた有原航平が先発として完投勝利を収め、幸先のいいリスタートを切ったのですが、ここまでのファイターズ先発投手陣は5完投を含め、平均投球回数が6.0回、先発投手が6イニング以上を投げ、3自責点以内に抑えるクォリティスタート率(QS率)55%と先発投手の貢献が目立っていました。

 ところが翌日から状況が一変。7試合連続でQSを達成できないという事態に陥り、その後も有原以外の投手でQSが達成できない状況が続きます。それでも打線の援護と救援投手陣の踏ん張りで勝率をキープしながら西武を追撃しようとしますが、そのツケが8月後半に来ます。8月16日からまた7試合連続でQS未達成。8月17日からの西武3連戦で1勝2敗、続くソフトバンクとの3連戦で3連敗を喫し、3か月守ってきた2位の座をソフトバンクに明け渡してしまいます。

 8月後半、下位3球団に対して8試合6QS、6勝1敗1分と奮起しますが、西武、ソフトバンクの驚異的なラストスパートに振り切られ、3位でペナントレースを終えることになりました。なおオールスター戦以降のQS率は42.1%で、リーグ最下位でした。

 先発投手陣では、上沢直之とマルティネスが17QSとリーグトップの成績を収め、1年間しっかり先発ローテーションを守る貢献を見せました。また捕手ではFAで中日に移籍した大野奨太の代わりに22歳の清水優心が83試合出場、2塁手には23歳の渡邉諒がチーム内最多の57試合に出場。そして、ドラフト1位ルーキーの清宮幸太郎もDHや一塁手として53試合に出場するなど、積極的に若手を起用するファイターズスタイルは今年も健在でした。

 ちなみに、5月2日に1軍デビューを果たし、デビューから7連続試合安打の日本記録や、早稲田実業の大先輩、王貞治に並ぶ歴代9位タイとなる高卒1年目7本塁打を記録するなど、大物の片鱗をみせた清宮ですが、昇格した5月の空振り率は30%を超えており、1軍の投手に戸惑っている様子が伺えました。徐々に空振りは減ってきましたが、シーズン通じての空振り率は19%。ボール球に手を出す割合も32%と、まだまだ改善の余地はあるようです。

投手陣、外野手は平均を超える貢献度 盗塁成功率も断然の高さ

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