3年連続で40回以上の逆転勝利も、投手陣は…データで今季を振り返る【広島編】
球団史上初の3連覇を達成、広島の強さと課題をデータで分析
球団史上初の3連覇を成し遂げた広島カープ。セ・リーグでの3連覇は巨人以外のチームでは初となる快挙です。今年も投打が噛み合い、2位以下に大差をつけて駆け抜けた2018年のペナントレースにおいてチームがどの時期にどのような波に乗れたかを、得点と失点の移動平均を使って検証してみます。移動平均とは大きく変動する時系列データの大まかな傾向を読み取るための統計指標です。
グラフでは9試合ごとの得点と失点の移動平均の推移を折れ線で示し、
得点>失点の期間はレッドゾーン
失点>得点の期間はブルーゾーン
として表しています。
「タナキクマルセイヤ」とも称されたほぼ固定のメンバーで上位打線を組み、リーグ随一の得点力を誇ってきた広島カープ。今季も開幕4連勝と幸先の良いスタートを切ったのもつかの間、3戦目から鈴木誠也が下半身の張りを訴え欠場。4月4日に登録を抹消されると、9試合で3勝6敗とペースダウンしました。その後、2回の5連勝で持ち直し、鈴木誠也も抹消後2週間で1軍復帰。そのままスタートダッシュに入るかと思われた4月28日、今度は丸佳浩が守備時に右太もも裏を痛めて交代。翌29日に登録抹消され、足掛け6年続いていた丸の連続出場は700試合で止まりました。
主砲たちの欠場というピンチを松山が4番打者として打率.278、OPS(出塁率+長打率).831、3番打者としてバティスタが打率.283、OPS.943と補完。そして、センターのスタメンとして起用された14年ドラフト1位、25歳の野間峻祥が5月の月間打率.380、OPS.957とブレーク。シーズン初期での首位固めに貢献します。野間は丸復帰後もレフトのスタメンとして多く起用され、8月後半から1か月間は田中広輔に代わり1番打者を務めるほどになり、4年目で初めて規定打席に到達する活躍を見せました。