接戦に弱く、本拠地東京Dでも負け越し…データで今季を振り返る【巨人編】
菅野と山口は貢献度大の先発投手陣 ドラ1高橋にも大きな期待
今季のジャイアンツの先発投手陣の貢献が大きなプラスなのは、チーム完投21、うち完封13、先発防御率3.64とすべて12球団1位の数値からも明らかでしょう。21完投の内訳は
菅野智之10(うち8完封)
山口俊6(うち2完封)
メルセデス2(うち1完封)
内海哲也1(うち1完封)
今村信貴1(うち1完封)
田口麗人1
と菅野、山口の2人で76.2%を占めています。菅野は、沢村賞の選考基準7項目すべてをクリアし、2年連続で沢村賞を受賞。7項目すべてクリアでの受賞は、2011年の田中将大以来です。
※沢村賞選考基準7項目は、15勝、150奪三振、10完投、防御率2.50、200投球回数、25登板、勝率6割)
この7項目すべてのクリアが困難となった昨今、今年から補足基準として「7回以上投げて自責点3点以内の回数」が設けられたのですが、菅野はこの回数でも17回とし、回数、率ともに12球団トップ。文句なしの受賞となりました。
先発投手陣の平均投球回数6.18も12球団トップですが、これは裏を返せば救援陣の心許なさを示す指標でもあります。救援防御率4.12はリーグワースト2位。完投6回、7月27日にはノーヒットノーランを達成した先発の要、山口を9月以降、救援陣に回すことで状況の回復を試みました。山口は9試合の救援登板のうち7試合で無失点、防御率1.50と首脳陣の期待に応えました。
さて、今年のドラフトでは1位指名で根尾昴、辰巳涼介の名前を挙げるもののことごとくくじで失敗。3回目の指名で北東北大学リーグ・八戸学院大学の投手、高橋優貴との交渉権を確定させました。
高橋は3度目の就任となる原辰徳監督の出身校である東海大学の系列校、東海大菅生高校出身で、大学1年生からエース級の活躍。大学リーグでは4年間で50試合に登板、35回の先発登板のうち、6回以上を投げ自責点3以内に抑えるクォリティ―スタート(QS)20回、奪三振率10.72を記録しています。またMAX152キロを出せる左腕という貴重さもあり、1年目からの起用が期待できる投手の補強となりました。