早くも68人、補強難しく既存戦力に期待? 支配下登録枠から見るDeNAの補強点
内野18人は明らかに多いが、ソトや中井ら外野も守れるユーティリティー揃い
○捕手
嶺井、伊藤光、戸柱の3人の守備面の信頼は厚い。今季途中で高城、白崎を放出して伊藤光、赤間を獲得したが、伊藤光の加入は捕手陣に新しい風を吹き込んだ。ただ、3人とも打率1割台に終わっただけに、もう少し打撃でも結果を出してほしいところだろう。今年のドラフトでは、高校球界屈指の捕手・益子を獲得。20歳の山本もおり、人数は少ないながら陣容は悪くない。
○内野手
18人は明らかに多い。特に右打ちの内野手は11人を数える。ソトは外野も守れる“使い勝手”のいい外国人で、巨人戦力外から加入した中井も内外野を守るユーティリティーだ。この2人を外野に数えれば、バランスはまずまずか。30代に入った宮崎、大和、そしてロペスも右打者。左打者にも柴田、佐野と20代序盤の伸びしろのある選手が揃っており、新人の伊藤裕季也や侍ジャパンU23経験者の大河などプロスペクトも豊富。これ以上は補強の必要はなさそうだ。
○外野手
前述のソト、中井がユーティリティーであることを考えると、9人という人数でも十分まわしていけるだろう。懸念としては主砲・筒香の存在感があまりに大きすぎること。現状、離脱時に替えが効かないうえに、筒香自身も近い将来のMLB挑戦を視野に入れており、ポスト筒香の育成は避けては通れない。細川、青柳、関根ら若手に一段の成長を期待したいところ。筒香、桑原、梶谷のレギュラー組とバックアップの力量にまだまだ差がある印象が強いが、当面はレギュラー組が元気なうちに若手の成長を期待すべきか。
DeNAは他球団に比べ、主力の年齢層が若い。レギュラー陣が年代的にも非常に元気だけに、かえって主力が固定され、なかなか競争になりにくい部分もあるのではないだろうか。ラミレス監督はソトや中井など複数ポジションを守れる選手を好む傾向があり、支配下登録がすでに68人の状況でもやりくりは上手。あとは主力が安心してしまわないように、どう競争をあおるかだろう。
野手に比べ、投手陣には課題が残る。今季は計算できる先発投手がもう1人いれば…という思いを味わっただけに、ルーキーの上茶谷もまず先発で使われるだろう。期待通りの活躍をしてくれれば、井納、東に加え今永、浜口の復調次第で今季苦労した先発投手陣も安定に向かう。外国人も先発、リリーフ両方の経験があるバリオスを残留させ、限られた人数でも人材を有効に使うラミレス監督好みの陣容と言えそうだ。