FAの目玉がなぜ…ハーパー、マチャドとの契約に「あらゆる専門家が否定的」!?

リスクが大きい超大型契約「彼らに対するマーケットは明らかに変化してきている」

 1つ目は、ヤンキースが“より安価”でマチャドを獲得するという可能性だ。「スプリングトレーニングが近づいても沈黙を続けるヤンキースにしびれを切らしたマチャドならばバーゲン価格で獲得できる」という思惑が絡んでいると推察。実際に、昨オフはレッドソックスがJD・マルティネス外野手を同様の手法で安価で獲得。マルティネスはMVP級の活躍をみせ、ワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。

 2つ目は、ヤンキースがマチャド獲得よりも他の先発投手獲得を優先しているから、というもの。オフにトレードでマリナーズからジェームズ・パクストンを獲得し、FAとなっていたJA・ハップとCC・サバシアとの再契約をまとめたヤンキース。ルイス・セベリーノと田中将大も合わせ、5人と先発ローテーションの数は揃っている。だが、記事では「キャッシュマンGMは、サバシアのバックアップのため6人目の先発投手を獲得して補強終了となるのではないか。もちろん(マチャド獲得の可能性が)ないわけではないとはいえないが」という関係者の声を紹介。手術明けでかつ38歳を迎えるサバシアにはコンディション面での不安がつきまとう。マチャドよりも先発を厚くしたい、というのがヤンキースの思惑ではないかというのだ。

 さらに同紙は、ヤンキースがすでに2019年の贅沢税の制限を700万ドル(約7億6500万円)超過していると指摘。「昨シーズン100勝を記録したロースターに加えてパクストン、トロイ・トゥロウィツキー、DJ・ルメイヒュー、アダム・オッタビーノを補強、ハップ、ザック・ブリットンの再契約に成功しているため、あと1人の先発投手を加えるだけでここ2、3年はまだまだチャンスがある」と、マチャド獲得が水泡に帰しても現時点で“必要十分”の補強はできていると評価している。

 ここ2年にわたって続いているFA戦線の“スロー化”。昨年もダルビッシュ、アリエッタ、マルティネスといった大物FA選手でさえ1月中旬を過ぎても契約が決まらなかった。記事によると、関係者は「彼らに対するマーケットは明らかに変化してきている。あらゆる専門家も(マチャドやハーパーとの契約に)否定的な考えである」と話しているという。マチャドとハーパーには“3億ドル”級の契約は見合っていないのでは、とする見方が強いようだ。そして、関係者は「残念なことだが、FAは彼らだけではない。まだ契約を結んでいない選手が、100人もいるのだから」とも話しているという。大物の動向が他のFA選手にも大きな影響を及ぼしていることは確かだ。

 最近のFA市場では天文学的な数字での契約が多発している。その結果、契約後に“年俸に見合った”働きができていない選手が目立つようになり、球団は大型契約そのものに二の足を踏んでいる。アルバート・プホルス(2012年から10年総額2億4000万ドル=約262億円でエンゼルスと契約)やジェイソン・ヘイワード(2016年から8年総額1億8400万ドル=約201億円でカブスと契約)、クリス・デービス(2016年から7年総額1億6100万ドル=約176億円でオリオールズと再契約)などなど……。かなりの重荷になる“リスク”があるため、球団は敬遠しているのだ。

 記事は「最後には球団がマチャドやハーパーへのオファーの額を上げることになる可能性もあるが、それ以上に高い確率で選手と代理人の期待よりも低い額での契約に甘んじるだろう」と締められている。果たしてどの程度の契約を結ぶのか、今後数年間にわたって契約の“基準”になり得るだけに、高い注目を集めている。

(Full-Count編集部)

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