菊池雄星が「ショートスタート」初体験 あらゆる方策で投手を守る米球界
「ペース配分し過ぎ、探りながら行き過ぎ」…9球からいくつもの収穫を得た菊池
1Aレベルでは“piggyback”と呼ばれる登板パターンがある。
piggybackとは「抱き合わせ」の意味で、2人の投手にコンビを組ませ先発と中継ぎの役割を交互にして同じ試合に臨ませるというもの。この方式も肩の酷使を避けるための対策の一環で考えられたが、問題点も出てくる――。
先発した投手が好調で終盤まで投げると、中継ぎに回った投手はわずかな投球しかできなくなる。その中継ぎ役が次回で先発して、序盤での降板を余儀なくされた場合、コンビを組む相手に負担をかけることになってしまう。つまり、実戦では描いた通りの役割分担がなかなか叶わないという難点が出てくるというわけだ。
若手投手の将来を考えるために、マイナーではその方策にいろいろな取り組みが行われている。
今回の1回限定登板では、握りに工夫を凝らし相手を腰砕けにしたチェンジアップや、空振りを奪うスライダーへの手応えなど、投じた9球からいくつもの収穫を得て、「ペース配分のし過ぎだなとか、探りながら行き過ぎたなというのは気付けた」と、意識の部分でも今後につなげる改善点を見つけた。
マイナーで実証済みだった「ショートスタート」で新たな発見をした菊池は、27日(同28日)に正式に発表された次回5月3日(同4日)の敵地インディアンス戦で、2勝目を目指す。
(木崎英夫 / Hideo Kizaki)