少年野球のパパコーチに捧ぐ プロの名スコアラーが野球の教え方を教えます

少年野球でノックを打って指導する元巨人スコアラーの三井康浩氏【写真:編集部】
少年野球でノックを打って指導する元巨人スコアラーの三井康浩氏【写真:編集部】

元巨人の三井スコアラーが力説「両足を揃えて捕球しない!」「バッティングは尻で打つ!」

 元巨人の選手、スコアラーで、2009年のWBCにも侍ジャパンのチーフスコアラーでもあった三井康浩氏。その眼力に、松井秀喜氏や高橋由伸氏、阿部慎之助捕手ら巨人の名打者たちが信頼を寄せてきた。そんな三井氏が息子の少年野球を見にいったことがきっかけでコーチを買って出ることになった。すると、弱かったチームがだんだん、勝てるチームに成長。その指導方法にポイントがあった。少年野球のパパコーチたちの参考になればと、小学校高学年生向きの指導の解説してもらった。

○守備編 両足は揃えずにステップしやすい方法で

 ゴロを捕る時、小さい頃から、軸をぶらさないように足を揃えて捕る。捕ったらそのままステップして投げると教わることが多いと思います。足を揃えて捕ると、トンネルもしやすいですし、なかなかステップまでスムーズに行きません。子供は必ずと言っていいほど、捕球したらすぐ投げてしまうので、悪送球が多く出てしまいます。ステップは入れないといけません。慌てず余裕を作って、しっかりと肩を入れ、相手を見て投げることが大切です。

 息子のチームは、内野手の一塁への悪送球エラーが多くの失点につながっていました。それも一塁手の届かないような高い球です。高学年になると、自分の肩の強さを見せたいという気持ちから、思い切り投げてしまいがちです。なので、内野の送球はすべてワンバウンドで一塁に届くようにしています。この世代ですと、ボールの到着のスピードはノーバウンドとそうは変わりません。また、思い切り投げようとすると、ボールを離す位置と顔が離れる可能性が高く、いい投げ方とは言えません。故障につながってしまいます。そういう意味でも、余裕を持って、しっかりとした形で投げられる力をつけさせることが重要です。

 指導してすぐにはできないので、繰り返しで徹底させることが必要です。その成果があって、送球ミスはずいぶん減りました。以前は、10点取られていたけど、多くても4、5点の失点。エラーにエラーの上塗りはなくなりました。

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