スピードスターは一体誰? 二塁到達タイムのパ1位は野手歴わずか1年半の元投手

1位に輝いたのは、野手歴わずか半年足らずの選手に

 1位を紹介する前に、ここで番外編といこう。

 二塁到達タイムが一番遅かったのは、福岡ソフトバンクのアルフレド・デスパイネ選手だった。タイムは10秒85。チームメイトの牧原大成選手なら三塁に到達していてもおかしくない。

 ただ、デスパイネ選手については、やむを得ない部分もあるだろう。日本に来たのはあくまで打撃、それも長打でチームに貢献するためだ。

 二塁打は、今回のようなスピードの魅力がすべてではない。二塁に悠々と到達できるような大飛球を放つこともファンを魅了する要素になる。デスパイネ選手には、ぜひ、そちらで活躍を続けてほしい。

 驚いた。わずか1か月のデータとはいえ、栄えある1位は、3位にも入った佐野皓大選手(オリックス)だった。タイムは驚きの7秒36。2位の秋山選手や、自身が記録した3位のタイムからさらに0.2秒も縮めた。同じ7秒台でも7秒50を切るタイムとなれば、もはや別次元である。

 このときの佐野選手の走りは、5位のオコエ選手と同じく、一塁を回ったところで走路が膨らんでおり、決して効率が良いとはいえなかった。だが、広いストライドでトップスピードを維持。二塁ベースにかなり近いところからスライディングをすることで、地面を滑る距離を短くしてタイムロスを極力防いでいた。それが破格のタイムにつながったのだろう。

 佐野選手の経歴は、前述したとおり。オリックスファンならずとも、名前を覚えておいて決して損はない。平均で1試合に1本以上は確実に発生する二塁打だが、超速タイムとなるスリリングな二塁到達を目にするチャンスはそれほど多くはない。

 観客席にいるとつい打球を追いかけがちの場面だが、俊足の選手が二塁打になりそうな打球を打ったときだけは、思いとどまって打者走者を見続けることをお勧めする。走り出しの加速から、一塁を回ってトップスピードに乗ったときの“疾走感”を目の当たりにすれば、誰もがその力強さと美しさに感動するに違いない。

 野球選手がトップアスリートであることを改めて実感できるまたとないチャンス。ぜひ見逃さぬよう、準備万端で期待していてほしい。

 ペナントレースは始まったばかり。今回のランキングも、この先、新たな選手がさらなる好タイムで書き換えていく可能性がある。一体、どこまで伸びるのか。二塁打からますます目が離せない。

【動画】とにかく速い! パ・リーグが誇る快足選手たちが記録した打ってから2塁到達までの時間を計測

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY