2年に1度の甲子園で“元スター”が凱旋! 交流戦で注目の聖地を沸かせた男たち

日本ハムには清宮、平沼らスターがズラリ、楽天は1試合22奪三振をマークした松井

 中田と同様に1年生の時から注目を集め、大フィーバーを巻き起こした清宮幸太郎内野手にとっては、プロで初めて経験する甲子園での公式戦となる。中田と清宮には「3年夏の甲子園に出場できなかった」という共通点があり、早稲田実業高校時代の最後の夏の無念を晴らすにはまたとない舞台だろう。ケガを乗り越えて1軍に戻ってきた大器は、思い出の地で再び人々の印象に残るような一打を放てるだろうか。

 さらに、エースとして敦賀気比高校を2015年春のセンバツ優勝に導いた平沼翔太内野手も、プロ4年目の今季、ついに1軍に定着。プロに入ってからは優れた打撃センスを生かすために内野手に転向し、攻守両面で着実に実力を伸ばしてきた。三塁手や遊撃手として1軍の舞台でも存在感を発揮しつつある逸材が、かつて栄光を掴んだ地で大きな成長の跡を見せてくれるかもしれない。

 甲子園といえば、杉谷拳士内野手の存在も忘れてはならない。帝京高校時代に1年生ながら遊撃手のレギュラーを務めた杉谷選手は、準々決勝の智辯和歌山高校戦で1点リードの9回裏、無死1塁でリリーフとしてマウンドに上がる。しかし、初球からいきなり死球を与えてしまい、わずか1球で降板。その後、杉谷選手の出した走者がサヨナラのホームを踏んだことで、「甲子園で1球敗戦」という史上稀にみる記録を残してしまった。今季、NPB19人目の左右両打席本塁打を記録したムードメーカーは、苦い記憶を振り払い、聖地で新たな伝説を作れるか。

○楽天には、近年の甲子園でインパクトを残した若き逸材が多く存在

 松井裕樹投手は桐光学園高校の2年生だった2012年夏の甲子園1回戦(対今治西高校)で、それぞれ大会新記録となる10者連続三振・1試合22奪三振という圧倒的な投球を披露。大会通算でも歴代3位となる68個の三振を奪い、全国の高校野球ファンの注目を集めた。当時と同じ背番号「1」を背負ってプロの舞台でも活躍を続ける左腕は、守護神として上がるマウンドでもかつてと同様の鮮やかな奪三振を見せてくれそうだ。

 今季から新たにチームの一員となった浅村栄斗内野手も、2008年夏に「1番・ショート」と全国制覇を経験。甲子園球場は縁起の良い地だろう。シーズンが進むにつれて徐々に持ち前の長打力を発揮し始めた昨季の打点王は、2回戦の金沢高校戦で1試合2本塁打を放つ活躍を見せた高校時代と同様に、チームを勝利に導く一打を放てるか。

 近年の活躍が記憶に新しいのがオコエ瑠偉外野手だ。関東第一高校時代の2015年夏、圧倒的な身体能力を武器に走攻守にわたって大きなインパクトを残してチームをけん引。母校のベスト4入りの原動力となった。プロ入り後はここまで苦戦が続いているが、今季は開幕から一軍に帯同しており、首脳陣の期待値も高いはず。自らの名を大いに上げ、野球人生のターニングポイントにもなった地で、プロの舞台でもブレイクにつなげるような大活躍を見せたいところだ。

 オコエの他にも、楽天には2013年春のセンバツを1人で投げ抜いて済美高校を準優勝に導いた安樂智大投手や、名門・横浜高校のエースとして甲子園でも存在感を発揮した藤平尚真投手といった期待の若手も在籍している。ともに今季は結果を残せずに苦しんでいるが、若き逸材たちに聖地で活躍の機会は訪れるだろうか。

西武に高橋光、今井と優勝投手が2人、春夏連覇の捕手・森も健在

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