“リーグ最低打率”は名選手ばかり? パ・リーグ過去14年を振り返る

「史上最大の下克上」の立役者、里崎智也氏もその前年は……

 里崎智也氏は強打の捕手として2000年代の千葉ロッテを支えたが、2009年に打率を大きく落としてしまう。しかし、翌2010年はケガの影響で78試合の出場にとどまったものの、10本塁打、打率.263、OPS.800と復活。ポストシーズンでも活躍を見せてチームを日本一へと導き、自らの発言通りに「史上最大の下克上」を成し遂げた。2012年には規定打席にわずか7打席届かなかったが、9本塁打、打率.244を記録。統一球の影響で10本塁打以上を記録した打者がわずか10人という歴史的な投高打低の中でそれに次ぐ本塁打数を残し、その長打力をあらためて示した。

 小谷野栄一氏は日本ハムの主力打者として2010年には打点王にも輝いたが、統一球が導入されてからの2年間は大苦戦。リーグ全体の打撃成績が下降する中でもとりわけ成績を落とした選手のひとりであり、2009年に.296、2010年に.311と安定していた打率が急降下してしまう。2年連続でリーグ最低打率という苦境に追い込まれたが、ボールの反発力が改善された翌年以降は復活。2013年は打率.275、2014年は規定打席未満ながら打率.296と持ち前の巧打を復活させ、その実力に衰えはなかったことを結果で示してみせた。

 炭谷銀仁朗捕手は2013年と2015年の2度にわたってリーグ最低打率を記録するなど、打率.200~.220の間を推移するシーズンが大半で、守備型の捕手とみなされることが多かった。しかし、プロ12年目の2017年、炭谷選手はついにその弱点を克服。規定打席には届かなかったものの、104試合で5本塁打、打率.251と長足の進歩を見せた。2018年は打率.248、そして巨人に移籍した2019年の打率も.250前後と、その後も2017年に見せた打力の向上が本物であったことを示している。

日本ハムの屋台骨を支える主力2人も、深刻な不振からのカムバックを経験

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