【あの夏の記憶】目標は「打率8割」 大阪桐蔭・西谷監督がプロを見据える藤原恭大に挑んだワケ

インタビューに応じたロッテ・藤原恭大【写真:佐藤直子】
インタビューに応じたロッテ・藤原恭大【写真:佐藤直子】

強豪・大阪桐蔭の主軸として史上初となる2度の春夏連覇を達成

 第100回記念大会を迎えた昨夏の甲子園、大阪桐蔭は史上初となる2度目の春夏連覇という偉業を果たした。過去最多となる56代表校が鎬を削ったメモリアル大会。「史上最強」との評判も高かった大阪桐蔭は、2000年生まれの「ミレニアム世代」と呼ばれる3年生中心のチーム構成で、そのうち4人がプロの門を叩いた。副将・根尾昂(中日)、右のエース・柿木蓮(日本ハム)、左のエース・横川凱(巨人)、そして全6試合に「4番・中堅」で出場した藤原恭大(ロッテ)だ。

 打ってよし、走ってよし、守ってよし。走攻守3拍子揃った藤原には3球団が1位競合したが、ロッテの井口資仁監督が交渉権を引き当て、未来のスター候補を迎えた。2月の石垣キャンプで1軍に振り分けられると、「実戦の中でプロの世界を感じてほしい」という指揮官の意向で対外試合30戦全てに出場。3月29日の開幕戦では「1番・中堅」で先発し、ロッテの高卒ルーキーとしては54年ぶり3人目の快挙となったが、4月7日に登録抹消。現在は2軍が拠点を置く浦和でプロとしての土台=身体作りに専念している。

 春夏連覇から1年が経ち、今度はテレビで後輩たちの活躍を見守る立場となった。3年間で春夏合わせて4度甲子園に出場。どの試合、どのプレーにも様々な想いが溢れるだろうが、あえて「一番思い出深い試合は?」と聞くと、こんな答えが返ってきた。

「やっぱり春夏連覇した時の、金足農業さんとの試合ですね。春夏連覇は自分たちがずっと目標にしてきたことですし、同じく春夏連覇がかかっていた前年は負けていたので。いろいろなプレッシャーだったり思いだったりもあるので、絶対にやってやるぞ、という気持ちで夏に臨んでいました。それが叶ったので、一番いい試合だったと思います」

金足農業との決勝戦、藤原の心に刻まれた打席は…

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