【あの夏の記憶】埼玉の高校野球番組に抜擢された元球児のイケメン俳優 心に残る“夏の後悔”

テレ玉「高校野球ダイジェスト2019」でMCを務める俳優の神田穣さん【写真:荒川祐史】
テレ玉「高校野球ダイジェスト2019」でMCを務める俳優の神田穣さん【写真:荒川祐史】

「いつも僕が道から外れそうになった時、助けてくれたのは友達でした」

 約2年、異国の地で揉まれた。大好きだった野球にも一区切り、気持ちの整理をつけることができた。新たな夢を追いかけるために、アメリカに居続けることも考えたが、それは両親が許さなかった。野球をするために送り出し、仕送りもしてくれていた。改めて今、考えれば、当然のことと納得ができる。

「気がついたら、母が石原プロのオーディションに応募していたんです。きっと僕をアメリカから帰国させるためだったんでしょうね。芸能の仕事は、姉が小さい頃、少しやっていたので、興味がないわけではありませんでしたが……」

 まだ、アメリカにいた頃に応募したため、オーディションのために帰国したこともあった。実は、神田さんは歌を人前で披露するのが苦手。オーディションでは歌唱披露もあることを知った米国に住む日本人の友人から、何度もカラオケに誘われた。

「絶対に歌いたくない! と何度も言ったのに本当にしつこくて(笑)。しつこいから最後は歌っちゃいましたけど」

 友達はこう言ってくれたという。

「穣の歌を聴いて、落とすような審査員は見る目がないと思った方がいいよ」

 合格の根拠なんて何もない。ただ、その気持ちがうれしかった。自信を持って、歌唱力テストに挑み、最後は合格通知を手に入れた。

 ドラマや映画にも出演するようになり、高校時代の仲間や米国時代の友人から「見たよ」「面白かった」などという感想のメッセージが届くという。

「いつも僕が道から外れそうになった時、助けてくれたのは友達でした。高校時代、自分に負けたとき、その大切さに初めて気が付くことができました。だから、球児たちには納得するまでやってほしいと思います。野球部の仲間を大切にしてほしいです」

 自分にしかわからない、高校野球の魅力を「高校野球ダイジェスト2019」で伝えるために、神田さんは今日も埼玉県内のグラウンドへ行く。不完全燃焼だったあの夏を思い出し、やり切ったと思えるように、全力投球すると決めている。

「高校野球ダイジェスト」ホームページはこちらから
各球場のハイライトシーンと全試合の結果を紹介!
放送:試合開催日の夜9時~9時30分 (再)翌朝7時30分~8時

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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