「何気ない変化に気づくこと」西武を支えるトレーナーが心がけること【パお仕事名鑑Vol.3】

西武二軍チーフトレーナー・ 中村和将さん【写真:パーソル パ・リーグTV】
西武二軍チーフトレーナー・ 中村和将さん【写真:パーソル パ・リーグTV】

西武の2軍チーフトレーナーを務める中村和将さん

 グラウンドの上で輝く選手やチームを支えているのはどんな人たちなのか。パ・リーグで働く全ての人を応援する、パシフィック・リーグオフィシャルスポンサーのパーソルグループと、パ・リーグインサイトがお届けする「パーソル パ・リーグTVお仕事名鑑」で、パ・リーグに関わるお仕事をされている方、そしてその仕事の魅力を紹介していきます。

 トレーナーの仕事をシンプルにいえば、選手が最高のコンディションで最高のパフォーマンスを発揮できるように身体面のサポートや指導をすること。特に連戦が続き、一方で日々成長のための練習が欠かせないプロ野球選手にとっては、疲労回復やリハビリ、怪我の予防のための取り組みは必須となる。

 西武では2019年1月より球団本部内に「メディカル・コンディショニンググループ」を発足させた。同グループはトレーナー、リハビリ担当、S&C(ストレングス&コンディショニング)担当、そして、管理栄養士の併せて9名からなり、今回お話を伺った中村和将さんは2軍のチーフトレーナーとして、トレーナー部門を率いる。

 選手の身体、精神面を支えるトレーナーは、日々どのような姿勢で取り組んでいるのだろうか?

「何気ない変化にもトレーナー全員が気づかないといけません。例えば夏。練習前と練習後に体重の変化を測定し、脱水症状が起こってないかを確認。その状態を解消し元の状態にして翌日に臨めるようにする。こうした気づきのために、日々の食事の量、体温、脈拍などを選手が入力をして、そのデータをすぐにチームで共有できるようにしています」

 データを活用することでチーム全体として細かい変化も見逃さない。データによる気づきだけではなく、日々積み重ねた、選手との密なコミュニケーションがあるからこその気づきも大切となる。

「例えば朝、選手は散歩をして、朝食を摂るのですが、その際に顔を見れば、そこからわかることもあります。それは普段から選手とよく話しているから。選手にとって我々がケアをする時間や、トレーニング室は数少ないリラックスできる場。選手たちからもいろいろ話をしてくれるんです」

 トレーナーと選手の信頼関係から生まれる「気づき」。しかし、選手によって抱えているフィジカルの問題や目指すべき体作りは大きく違う。特に2軍ともなればより複雑だ。高卒ルーキーから、若手の育成、1軍定着を目指す中堅選手、さらにはケガやコンディション不良、チーム事情で2軍にいるベテラン野手や1軍で活躍する投手まで。信頼関係を築くためにどのような気持ちで臨んでいるのだろうか。

「その選手のやり方を否定しないこと」

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