身を粉にして投げ続ける“縁の下の力持ち” パ球団のロングリリーフたち

西武佐野は6月の月間防御率0.90

◯佐野泰雄投手(西武)
今季成績:34試合1勝2敗1ホールド 58回 35奪三振 防御率4.19

 佐野は2015年の入団以降、4年間で通算28試合の登板にとどまっていた。だが、今季は4月からリリーフとして1軍に定着し、主に先発投手が序盤に崩れた試合を引き締める役目を担っている。決してスポットライトの当たる役割とは言えないながらも、時には1試合で3イニングを投げるなど多くのイニングを消化。調子を崩す投手が多かったリリーフ陣にあって、安定した投球を披露してコンスタントに登板を重ねていく。

 とりわけ6月は月間防御率0.90と絶好調で、6月11日の巨人戦では発熱で登板を回避した今井達也投手に代わって急きょ先発のマウンドに上がり、4回を無失点に抑える好投でチームの勝利に貢献。交流戦期間中の防御率は1.13と、セ・リーグ相手に相性の良さを示した。今季だけで過去4年の合計を上回る34試合に登板しているタフネス左腕は、これからどこまで登板数と成績を伸ばしていってくれるだろうか。

◯チェン・グァンユウ投手(千葉ロッテ)
今季成績:34試合1勝1敗4ホールド 47回2/3 38奪三振 防御率3.59

 2017年までは先発としての起用も少なくなかったチェンだが、2018年からはリリーフとしての登板が大半に。今季は中継ぎに専念して主にロングリリーフの役割を担い、開幕から9試合連続で自責点0の快投を披露。これまでは外国人枠の兼ね合いもあって1軍での出場機会が限られることも多かったが、今季は4月2日に1軍合流を果たしてから、8月を迎えるまで登録抹消されることなくフル回転。外国人枠を巡る争いに、見事勝ち抜いてみせた。

 先述の佐野とは異なり、交流戦では防御率6.75と打ち込まれたが、パ・リーグの球団相手には防御率2.82と安定した投球を披露。登板数は現時点で既にキャリアハイの数字であり、8月4日まで防御率2点台以下を維持するなど安定感も水準以上だ。しかし、疲労もあってか8月に入ってから調子を落とし、8月14日に1軍登録を抹消されている。台湾出身の万能左腕は、ここから調子を取り戻して1軍の舞台に舞い戻り、奮闘を続けてきたシーズンを名実ともに過去最高の1年とできるか。

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