【U-18W杯】悲願の世界一へ、木製バットにどう対応? 侍戦士たちが語る対策と手応え

今大会4番最有力の東邦・石川、作新学院監督・小針代表コーチに助言仰ぐ

 今大会の4番候補となる東邦・石川昂弥内野手(3年)は2試合とも4番に座った。初戦でもヒットを放ち、2戦目では右翼線二塁打もマークした。うまく順応しているように見えた。

 石川も夏の甲子園に出場していなかったため、木製バットで打ち込んできた。

「当たり前ですけど、芯に当たらないと飛ばないと思いました。(作新学院監督で侍ジャパンの)小針(崇宏)コーチから『結果はいいから、インパクトで100%の力を出せるように』と言われました。インパクトで100なので、構えている時の(力感は)ゼロのつもりです。そうすると、低めの変化球を見極められるようにもなりました」

 森と同様に、力感なく構えることで、視界にも好影響が出ている。木製マスターへのヒントが隠されているのかもしれない。

 初戦の3番に座った花咲徳栄の韮澤雄也内野手(3年)は4打数2安打1打点。プロのスカウトの評価も高い打撃センスを披露した。永田裕治監督も「今から1週間で劇的に変わることはないので、強く振る、ということを伝えています」と木製バットの対応について話したように、韮澤も強いスイングを心掛けた。

「金属バットでは“ちょこん”と当てれば抜けていくという打球が、木製になるとないので、そこは今日、意識しました。あとは、とにかく体を開かないこと。そこで一気に力を貯める。(花咲徳栄の)岩井監督からも練習で『体は開くな、開くと(力が)逃げてしまうし、打球も切れてしまう』と言われてきました」

 初戦の6回1死二塁から右翼へ放った適時二塁打は体を開かずに強いスイングで放った一打だった。他にも東邦の熊田任洋内野手(3年)や東海大相模の遠藤成内野手(3年)らも木製バットへの順応はうかがえた。指揮官が思うように、劇的に変化を見せることはないが、過去にもU18の大会では、ちょっとしたコツで感覚をつかむことも多い。チーム内のコミニュケーションも生かして、課題を打破していってほしい。

(楢崎豊 / Yutaka Narasaki)

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