西武担当者が語る飲食部門 野球と同じで「守りの部分が重要」【パお仕事名鑑 Vol.6】
球団の飲食部門で求められる人材像はどんなものか?
「意識しているのは“今いる場所で花を咲かせる”ために目の前の仕事を一生懸命するということです。“花を咲かせる”の定義は人それぞれだと思っていますし、1つの部署や会社に居続けることを推奨しているわけではないです。目の前の仕事を一生懸命できない人は、先を見たところで成果や成長はないと思っています。例えば私は、2021年に向けて進行しているメットライフドームの球場改修において、飲食関係の業務として少しでも携わりながら、自分の経験を積み上げ、広げていきたい。これを通じて、最終的に業務の中心となって、関わる人を動かしていけるような、能力、役割、責任を得られればと思っています。球団にどれだけ貢献できるかという軸と、一緒に働く方々にどれだけ貢献できるかという軸。そこに重なる部分で自分のスキルアップがどれだけできるかに取り組んでいきたい」
飲食というホスピタリティ、エンタテインメントをファンに提供するためには、多岐にわたる業務があることを紹介したが、その業務がプランに基づいて円滑に遂行されるためには、各々の業務で、各々が能力を発揮して役割を果たさなければいけない。それは野球チームのようでもある。
「コンセッション担当として一緒に働いている球団職員がそれぞれ役割を持っていますが、それぞれがやりたいことに挑戦できる環境があるか。私自身の今の仕事に加えて、今後目指す仕事、立場として、一人ひとりが無駄を省き業務に集中して、やりたいことにチャレンジできる環境をつくっていくことを意識しながらやっています」
では最後に、この業界を目指す人たちにはどんなものが必要だろうか?
「自分を客観視できる能力でしょうか。理由は2つあって、1つは、全体を俯瞰し、自分の業務がどういう位置づけにあるのか理解するためです。1試合を開催するのに、さまざまな業務が各所で同時進行してお客様にサービスを提供することで成り立っています。さまざまな人が一緒に働く現場なので、自分の業務に関する認識だけで動いていくと、細かな認識のズレや情報に行き違いなどでお客様に迷惑がかかります。自分の業務を引いた視点で見ることが大事だと思います」
「もう1つは自分の実力と会社のブランド力を認識するためです。ここまでは自分の実力、ここまではライオンズのブランドの力だと認識できるかというのが大事。自分の実力と会社の力を理解把握した上で、存分にライオンズというブランドを活用してチャレンジをして、自分の経験とスキルを積み上げていけばいいと思っております。何かをやり遂げたら、“自分はこれができるようになった”、“こういう経験をした”、と周りに言えるように自分自身で腹落ちできればよいと思います」
(「パ・リーグ インサイト」岩瀬大二)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)