「パワプロ」「プロスピ」の“能力”どう決める? 選手も一喜一憂の裏側に迫る
最も難しいのはルーキー選手の能力設定、どう決めている?
――昔に比べると、投手の球種も進化している。
山「実際に投げられた方がいるのであれば、それは再現しないといけないと思っています。例えば、過去の例で言えば、(巨人の)菅野投手のワンシームとか」
森「シーズン中に能力のアップデートをするようになり、シーズン中に持ち球が変わる選手がいたりもしますね」
――例年、注目されるのが、その年のルーキーの能力です。ルーキーのデータはどう設定するんでしょうか?
山「ルーキーのデータはアマチュア時代の成績がベースになりますね。最近は大学野球であれ、甲子園もそうですが、試合の映像があったりしますから」
――毎年注目のルーキーがいると、その年の『パワプロ』の能力がスポーツ新聞で記事になったりもしますね。
山「アマチュアが一番難しいんです。春に発売させていただくことが多いのですが、春に搭載するものは基本的に開幕予想データという形になっています。かなり我々の思惑というか『多分こうなんじゃないか』というのがどうしても入る。当たった時はすごくいいんですが、外れた時はなかなか……。ですので、思い切ったデータというのは付けづらいのです」
――今話題の高校球児の方々がプロ入りした場合、どんな能力になるのか、楽しみです。
森「投手の球速は一番付けやすいかもしれません」
山「球速は基本的にはアマチュア時代の最速になっています。実際、今までのプロ野球選手って、みなさんアマチュアを経てプロ野球選手になっています。ですので、アマチュア時代にこのくらいの成績を残した選手は、1年目はこうでした、というデータが積み上がってきています。そういうのを見て『この人はこのタイプなので、これくらいかなあ』と予想しています」
森「なかなかね、実際1年目から活躍する高卒の選手は少ないので、活躍できる能力をつけるのというのは難しいんですよね」
山「かつては高卒でホームラン30本とか打つ選手もいましたが、さすがにここまでの成績を予想するのはちょっと……。昔はアップデート機能もなかったですし。ただ、今回の『プロスピ』で導入されたんですが、『ライブ能力』という機能があります。実際の1週間の成績をもとに、活躍した選手の能力が上乗せされるという機能です。毎週オンラインにつないでもらえれば、データが配信されて、活躍した選手はその1週間、能力が高まるようになっています」