巨人3連敗… 追い詰められた「継投策」と「焦りばかりが出た」走塁ミス

巨人・原監督【写真:Getty Images】
巨人・原監督【写真:Getty Images】

4回に投入したルーキー戸郷が4失点、継投策は「後手になっている」

■ソフトバンク 6-2 巨人(日本シリーズ・22日・東京ドーム)

 日本シリーズ第3戦が22日に行われ、ソフトバンクが6-2で巨人に快勝した。これで初戦から3連勝。ここまでは巨人を圧倒している。この試合では、4回に3番手でルーキーの19歳・戸郷を投入するも、自らの失策も絡んで4失点。さらに、4点を追う9回には代走の増田が相手の暴投で一塁から一気に三塁を狙ったが、アウトとなってチャンスが潰れた。

 いいところがない巨人。ヤクルト、日本ハム、阪神、横浜の4球団で捕手としてプレーし、昨季まで2年間はヤクルトでバッテリーコーチを務めた野球解説者の野口寿浩氏は、継投策、若手のミスに巨人が追い詰められている状況が現れていたと分析する。

 3回途中、先発のドラ1高橋が逆転を許すと、原監督は鍵谷を投入。2死一、二塁でグラシアルを空振り三振に仕留め、1点差のままでこのイニングを終えた。直後の攻撃で鍵谷に代打・石川を送ると、続く亀井が2打席連発の同点ソロ。そして、追いついた直後のイニングで戸郷をマウンドに送った。

 しかし、ヒットと四球に自らのバント処理の悪送球もあり1死満塁に。ここから長谷川勇の犠飛、今宮の内野安打、柳田の押し出し四球、デスパイネの左前適時打と続き4失点。ルーキー右腕にとっては、厳しい場面だったのかもしれない。

 野口氏は「ルーキーなので、日本シリーズで初めて投げさせるのであれば、4、5点差がついた最終回とかなら良かったかもしれません。ただ、すべてはあのバント処理。あれは高卒ルーキーでも20年目のベテランでもやらないといけないプレーでした。そこがしっかりできなかったのか、ミスしてしまったのか……。どちらかはわかりませんが、あの大事な場面でああいう失策が出てしまったのは、やはり経験不足でしょう。つまり、あそこで高卒ルーキーの投手を投げさせなくてはならなかった巨人のブルペン事情ですよね」と話した。

 追い詰められたチームの継投策――。クライマックスシリーズ(CS)とは真逆の展開になってしまっているというのだ。

「このシリーズで良かった澤村を(5回から)2イニング使わなければいけなかった。細かく繋がなくてはいけなかった。結局は、4点負けてるのに中川を出さなければいけなかった。全部、後手になってしまっています。戸郷で2回1失点くらいでいってくれれば、という感じだったと思いますが、一気に4失点。バント処理のミスが尾を引いて押し出し四球、タイムリーとなってしまった。1つも負けられない焦りが出てきて、巨人があの継投をせざるをえない状況になっている。失点される前にピッチャーをどんどん代えて、CS終盤の阪神のような戦い方になってしまっている。後がないチームの“最後の頼みの綱”という戦い方ですよね。それをあの巨人がやるという状況になってしまった。もちろん、高橋を先発に立てた時点で総動員の覚悟だったでしょうが……。

 やはり菅野がここまで投げられなかったことが非常に痛いですよね。菅野が健康であれば、初戦か2戦目で投げて、勝ちを拾ってくれているはずです。本調子でマウンドに上がっていれば、最低でも8回は投げて直接クローザーにつなげることができるピッチャーなので、2戦目までにもここまで投手を使わなくて済んでいた」

巨人はミスが目立つ一方…「ソフトバンクには流れを渡さないうまさがある」

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