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話題の評論家、お股ニキが提案する新しいピッチデザイン法 「究極を言えば…」

令和元年も残すところ1か月あまり。今年の流行語大賞の最終候補が発表されるなど、世間はすでに1年を締めくくる態勢に入っているが、今年“野球本”界で最も大きなセンセーションを巻き起こした作品と言えば「セイバーメトリクスの落とし穴 マネー・ボールを超える野球論」だろう。著者は、お股ニキ氏。野球経験は中学の部活までで、しかも先輩と喧嘩になって途中退部してしまったという。だが、著作は発売と同時に大きな話題を呼び、野球ファンのみならず、ソフトバンクの千賀滉大投手らプロも愛読書として手にしている。

お股氏がフォーシーム(左)とスライダーの握りを解説【写真:佐藤直子】
お股氏がフォーシーム(左)とスライダーの握りを解説【写真:佐藤直子】

ダルビッシュとも活発に意見交換、お股氏が「万能変化球」と呼ぶスラッター

 この観察、データ収集、考察などの過程をツイッター上で呟き続けると、フォロアーは急増。現在では2万8000を超えるフォロアーがいる。このツイッターを通じて知り合った1人がダルビッシュ有投手だった。常に投手としての成長を念頭に置きながらピッチングと向き合うダルビッシュとの活発な意見交換は、今でも続いている。著書発売後にはソフトバンクの投手陣ら多くのプロ野球選手と交流が始まったというが、選手にとってみれば、これまで自分の中に「感覚」として持っていた目に見えないものが、データという客観性を伴いながら「言語化・可視化」された思いがするのだろう。「あ、そういうことか」と納得する体験を、お股氏は「アハ体験」と表現。多くの人に「アハ体験」をもたらしたのが、カッターとスライダーの中間のような球種「スラッター」の有効性についての記述だろう。

 著書の中ではスラッターを「現代のトレンドにあった『万能変化球』」と呼び、シャーザーやカーショー、復活したバーランダーらが操るボールの有効性を説明。フォーシームやツーシームからジャイロボールまで、あらゆる球種の回転方向や変化のイメージ、また重力や揚力などを交えながら変化のメカニズムも解説している。今回の収録でも、草野球チームでピッチャーを務めることもあるMOBY氏が、実際にボールの握りを質問する場面も。すると、お股氏は実際にボールを手に持ちながら解説してくれた(右腕向け)。

「これがまずフォーシーム。カットボールだと、この握りをちょっと右にずらす感じですね。千賀投手がこのタイプ。これでほぼストレートと同じように投げるんです。そうすると、左投手のフォーシームみたいな回転になると思うんです。これでバックスピンの要素が高いのがジャンセン(ドジャース)のカッター。リベラ(元ヤンキース)のカッターはスライダー成分が入るイメージですね」

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