梅野と小林が大接戦、投手は…データから最優秀守備賞を選出【投手・捕手編】
「1.02 FIELDING AWARDS 2019」を振り返る…捕手部門1位は巨人小林との接戦制した阪神・梅野
https://1point02.jp/op/gnav/column/bs/column.aspx?cid=53587
米国では、データアナリストが選手の守備を分析し、その結果から優秀守備者を表彰する「Fielding Bible Awards」という賞が存在する。これに倣い、株式会社DELTAではアナリストの協力のもと、「1.02 FIELDING AWARDS」というNPBの優秀守備者を表彰する企画を開催している。今年でこの企画は4年目となるが、この結果をお伝えしたい。
「1.02 FIELDING AWARDS」では、今年は7人のアナリストが各々の分析手法で選手の守備貢献を評価。今季各ポジションを500イニング以上守った12球団の選手(投手の場合143イニング以上)を対象に順位付けし(1位:10点、2位:9点……)、最も多くのポイントを獲得した選手を最優秀守備者とした。今回は投手・捕手部門がどのようなランキングになったかを紹介する。※全ポジションの結果はこちらから。
捕手部門では小林誠司(巨人)とのわずか1ポイント差の競り合いを制した梅野隆太郎(阪神)が選出された。梅野は1位票こそ小林より少なかったが、全アナリストから3位以内と安定して高評価を受けた。
「1.02 FIELDING AWARDS」では前回から捕手が捕球によって審判のストライクコールを誘発する“フレーミング”に対する分析・評価を解禁している。本企画を主催するDELTAが取得するデータは目視により取得したものだが、分析時の扱いに注意を払ったうえフレーミングを評価項目に取り入れたアナリストもいる。
八代久通氏の分析では、小林がどのコースにおいても安定してストライクを獲得している様子が紹介された。中でも右打者のアウトロー、左打者のインローに当たるコースで多くストライクを獲得していたようだ。小林は前回の本企画でも1位を獲得していたが、今季も少ない出場機会の中で確かな成果を残していたようだ。そのほかには甲斐拓也(ソフトバンク)は低め、森友哉(西武)は真ん中に近いストライクゾーンへの投球がボールとコールされることが多いなど各捕手のフレーミングの特徴が紹介された。
捕手の守備に関してはほかのポジションに比べ、データ分析の世界でも未成熟な部分が多い。分析・評価の手法が異なることで、アナリスト間で順位に差が出ることも多かった。