チーム防御率はリーグ1位、球界屈指の「勝利の方程式」… 19年ホークス投手陣を振り返る
「中継ぎ王国」ソフトバンクの核となった投手たち
救援陣といえば、「勝利の方程式」と呼ばれる投手たちに注目が集まるが、それが確立されているだけではシーズンは戦い抜けない。そういった意味では、今季のソフトバンクは全ての中継ぎ投手が高水準の成績を残したと言えるだろう。そのすべての投手を語ることはできないが、ここでは3投手を取り上げたい。
まず、右腕では松田遼馬投手と高橋純平投手が挙げられる。松田遼は移籍2年目の今季、自身最多の51試合に登板。試合展開に関係なくマウンドに上がり、140キロ台中盤の直球を軸に、スライダー、カーブ、フォークをバランス良く織り交ぜる投球スタイルで打者を打ち取った。7月には11試合で防御率1.59を記録。白星やホールド数には表れないが、こうした貢献も143試合の中では非常に重要であると言える。
高橋純も5月24日の1軍再登録以降、シーズンを通して1軍に帯同。チーム6位の45試合に登板し、17ホールドを記録した。150キロ前後の直球はもちろんのことだが、投球割合の2割程度を占めるフォークは被打率.139と優秀だった。オフには、来季の先発転向の可能性を示唆。千賀も中継ぎで結果を残し、翌年に先発で大成した過去がある。来季でプロ5年目を迎える右腕の動向にも注目したい。
チームに欠かせない「左のワンポイント」。その役割を担ったのが嘉弥真新也投手だ。今季は54試合に登板し、3年連続となる50試合登板を達成。5月に5試合で8失点を喫した影響で防御率は2.61ではあるものの、それを除く6カ月間では全ての月で月間防御率が1点台以下だった。今季は19ホールドを記録したが、うち14ホールドは打者3人を打ち取ったものではない。かつ、得点圏における被打率は1割台を下回る安定ぶりだった。このことから、嘉弥真が数多くのピンチでマウンドに上がり、ワンポイントとして流れを引き寄せてきたことが見えてくる。