坂本勇人や山田哲人の前例も… ドラフト“外れ1位”が秘める大きなロマン

斎藤佑樹、塩見貴洋の“外れ外れ1位”での指名だった山田哲人

 もう1人、“大当たり”だった外れ1位を挙げるならば、やはりヤクルトの山田哲人内野手だろう。この年は先に挙げた”ハンカチ世代”が大学4年生となりドラフト指名となった年。斎藤や大石達也らが注目を集め、競合も多数生まれた。ヤクルトはまず斎藤を、“外れ1位”で塩見貴洋投手を外した。“外れ外れ1位”で指名したのが高校生の山田哲人内野手だった。

 プロ入り後の成績はご存知の通り。プロ野球史上初となる3度のトリプルスリーを達成するなど好成績を残しており、結果的には、この年で指名された12人の中で最も“出世”したドラフト1位選手となった。

“外れ1位”が大豊作となったのは2018年だ。この年は藤原恭大、根尾昂、小園海斗の高校生3人に人気が集中。松本航投手を指名した西武以外の11球団はこの3人の誰かで競合した。外れ1位でも辰己涼介に4球団、上茶谷大河投手に2球団が入札する、競合が数多く発生するドラフトになった。

 そして、藤原を外した楽天は辰己、藤原と辰己を外した阪神は近本光司外野手を指名。小園を外したDeNAは上茶谷、小園と辰己を外したソフトバンクは甲斐野央投手が、根尾と辰己を外した巨人は高橋優貴投手が入団した。彼らは1年目から活躍し、それぞれチームに大きく貢献した。

 このほかにも、2005年、辻内崇伸投手の外れ1位だったオリックス岡田貴弘外野手(T-岡田)が後に本塁打王を獲得。2014年のDeNAは有原航平投手を外したが、守護神・山崎康晃投手が入団し、2017年のヤクルトは清宮幸太郎内野手を外して村上宗隆内野手が加入している。こう見ると、外した1巡目指名選手よりも外れ1位で入団した選手の方が結果的に活躍したケースも数多くある。

【表】プロ野球12球団のドラフト1位と“外れ1位” 過去10年が一目で分かる一覧

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